資産運用の成功の秘訣は何でしょう。「そりゃ、上がる資産で運用して下がる資産は避けることだよ」。おっしゃるとおりだと思います。ただ、問題はどの資産が上がるのか、どの資産が下がるのかがわからないことです。つまり不確実性が伴うのです。
不確実な資産運用の世界にも確実なものがあります。手数料です。支払うものなのであまりありがたくない話ですが、運用をプロに任せているわけですから手数料はかかります。
手数料は投資信託でも株式でも売買の際にかかります。表は手数料の影響を表したものです。10,000円を元手に投資を行ったとしましょう。投資対象は仮に日本を含めた世界の投資信託だとします。手数料は投資を開始する際に元手に対してかかります。比較のために、手数料がない場合とある場合を考えてみましょう。手数料率は3%とします。
手数料がない場合を縦に見ます。元手は10,000円で手数料はかかりませんから、10,000円全てを運用に充てることができます。この投資信託の運用は極めて好調で50%上昇したとします。元本の10,000円に対して5,000円の儲けが出たことになりますから、パフォーマンスは50%の上昇です。
次に、手数料が3%の場合をみましょう。元手の10,000円に手数料の3%がかかりますから、元本は9,700円に減ってしまいます。減った元本は50%の好調な運用により、9,700円の50%分である4,850円だけ増えて14,550円になります。10,000円が運用後に14,550円になったのでパフォーマンスは45.5%です。
■手数料の影響によるパフォーマンスの変化
具体的に考えると、私たちが3%の手数料がかかる投資信託を購入するために10,000円を出すと、そのうちの300円は差し引かれて販売会社である証券会社や銀行に入ります。残りの9,700円が実際に投資信託の購入に充てられて、運用にまわされるのです。運用益が50%だとしても、それは9,700円に対して50%の上昇ですから、上昇額は5,000円ではなく4,850円にとどまります。従って、当初の元本に比して45.5%のパフォーマンスにとどまってしまうのです。手数料が3%かかるだけ、つまり元本が3%減るだけで、運用のパフォーマンスは4.5%減ってしまうのです。私たちは、つい手数料分だけパフォーマンスが悪くなると考えがちですが、この例のように運用にまわす資金が手数料分だけ減ってしまうと、パフォーマンスは手数料率以上に差がついてしまうのです。各種の手数料率をしっかりと把握し、その影響を理解しておきましょう。
最近では、「ノーロードファンド」と呼ばれる販売手数料がゼロの商品も用意されています。こうした商品は信託報酬が高い場合があります。ノーロードファンドを選ぶ際は、単に販売手数料だけでなく、信託報酬額や保有期間も併せて検討するようにしたいものです。
【信託報酬】
投資信託における3つのコストである、販売手数料、信託財産留保額(ゼロの商品もあります)、信託報酬のうちの1つです。
内訳は、投資信託会社の運用に対する報酬、受託銀行の管理・保管に対する報酬、販売会社の代行業務に対する報酬です。一般的にインデックス型のファンドは信託報酬が低く、アクティブ型のファンドは信託報酬が高く設定されています。
不確実な資産運用の世界にも確実なものがあります。手数料です。支払うものなのであまりありがたくない話ですが、運用をプロに任せているわけですから手数料はかかります。
手数料は投資信託でも株式でも売買の際にかかります。表は手数料の影響を表したものです。10,000円を元手に投資を行ったとしましょう。投資対象は仮に日本を含めた世界の投資信託だとします。手数料は投資を開始する際に元手に対してかかります。比較のために、手数料がない場合とある場合を考えてみましょう。手数料率は3%とします。
手数料がない場合を縦に見ます。元手は10,000円で手数料はかかりませんから、10,000円全てを運用に充てることができます。この投資信託の運用は極めて好調で50%上昇したとします。元本の10,000円に対して5,000円の儲けが出たことになりますから、パフォーマンスは50%の上昇です。
次に、手数料が3%の場合をみましょう。元手の10,000円に手数料の3%がかかりますから、元本は9,700円に減ってしまいます。減った元本は50%の好調な運用により、9,700円の50%分である4,850円だけ増えて14,550円になります。10,000円が運用後に14,550円になったのでパフォーマンスは45.5%です。
■手数料の影響によるパフォーマンスの変化
手数料がない場合 | 手数料がある場合 | |
①元手 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
②手数料 | 0% | 3% |
③手数料額(①×②) | 0円 | 300円 |
④運用開始時の金額(①−③) | 10,000円 | 9,700円 |
⑤50%の運用益(×50%) | 5,000円 | 4,850円 |
⑥運用終了時の金額(④+⑤) | 15,000円 | 14,550円 |
⑦パフォーマンス(①と⑥の比較) | 50% | 45.5% |
具体的に考えると、私たちが3%の手数料がかかる投資信託を購入するために10,000円を出すと、そのうちの300円は差し引かれて販売会社である証券会社や銀行に入ります。残りの9,700円が実際に投資信託の購入に充てられて、運用にまわされるのです。運用益が50%だとしても、それは9,700円に対して50%の上昇ですから、上昇額は5,000円ではなく4,850円にとどまります。従って、当初の元本に比して45.5%のパフォーマンスにとどまってしまうのです。手数料が3%かかるだけ、つまり元本が3%減るだけで、運用のパフォーマンスは4.5%減ってしまうのです。私たちは、つい手数料分だけパフォーマンスが悪くなると考えがちですが、この例のように運用にまわす資金が手数料分だけ減ってしまうと、パフォーマンスは手数料率以上に差がついてしまうのです。各種の手数料率をしっかりと把握し、その影響を理解しておきましょう。
最近では、「ノーロードファンド」と呼ばれる販売手数料がゼロの商品も用意されています。こうした商品は信託報酬が高い場合があります。ノーロードファンドを選ぶ際は、単に販売手数料だけでなく、信託報酬額や保有期間も併せて検討するようにしたいものです。
【信託報酬】
投資信託における3つのコストである、販売手数料、信託財産留保額(ゼロの商品もあります)、信託報酬のうちの1つです。
内訳は、投資信託会社の運用に対する報酬、受託銀行の管理・保管に対する報酬、販売会社の代行業務に対する報酬です。一般的にインデックス型のファンドは信託報酬が低く、アクティブ型のファンドは信託報酬が高く設定されています。