不安はないに越したことはないのですが、なかなかそれは望めません。図1は“老後生活に対する不安の有無”に関する3年ごとの調査結果をグラフ化したものです。「不安感あり」は85.7%(「非常に不安を感じる」「不安を感じる」「少し不安を感じる」の合計)で、「不安感なし」は12.8%と、8割以上の人が老後生活に対する不安を抱えている結果となっています。
■図1 老後生活に対する不安の有無
表1は、生活保障に対する今後の準備意向について、20歳代から60歳代の人々に尋ねた調査結果です。老後保障(老後生活に対する準備)は介護保障に対する準備意向と同様に7割を超えていて、準備意向が高いことがわかります。具体的な準備手段としては、個人年金保険や変額個人年金保険などの生命保険や預貯金が大部分を占めているのが現状でしょう。
■表1 生活保障に対する今後の準備意向(単位:%)
前項「退職後の生活費の収支」で説明しましたが、夫婦の老後生活に必要と予想される消費支出額は毎月24万9,000円、ゆとりある老後生活のための上乗せ額は10万円となっており、“ゆとりある老後生活費”は月額34万9,000円です。
一方、収入源である公的年金は、平均的なサラリーマン世帯の場合、月額24万円が支給される金額を目安と考えることができるでしょう。公的年金は原則65歳からの支給(男性は昭和36年4月2日生まれ以降、女性は昭和41年4月2日生まれ以降の場合)ですから、もし60歳で退職したとして65歳までの5年間は収入がありません。その間、消費支出額である月額24万9,000円を使い続けただけでも約1,490万円が必要です。仮に60歳以降は、定年後再雇用で勤務を続けても大幅な収入減となるのが一般的です。65歳以降は公的年金が支給されますので、毎月の差額(消費支出額の24万9,000円と公的年金24万円の差額9,000円)は少額にみえますが、ゆとりのための上乗せ額を考慮に入れ80歳までまかなった場合を試算をすると、15年間で約2,120万円の準備資金が必要になります。やはり若い時期からの資産の貯蓄と運用が欠かせないようです。
■図1 老後生活に対する不安の有無
表1は、生活保障に対する今後の準備意向について、20歳代から60歳代の人々に尋ねた調査結果です。老後保障(老後生活に対する準備)は介護保障に対する準備意向と同様に7割を超えていて、準備意向が高いことがわかります。具体的な準備手段としては、個人年金保険や変額個人年金保険などの生命保険や預貯金が大部分を占めているのが現状でしょう。
■表1 生活保障に対する今後の準備意向(単位:%)
すぐにでも準備 | 数年以内には準備 | いずれは準備 | 準備意向あり | 準備意向なし | わからない | |
医療保険 | 6.5 | 15.1 | 43.5 | 65.0 | 31.5 | 3.5 |
老後保険 | 6.5 | 13.7 | 52.2 | 72.4 | 23.0 | 4.6 |
死亡保険 | 4.0 | 9.5 | 45.7 | 59.2 | 35.7 | 5.1 |
介護保険 | 4.8 | 10.7 | 58.5 | 74.0 | 20.6 | 5.4 |
図1、表1とも(公財)生命保険文化センター「平成28年度生活保障に関する調査《速報版》」より
前項「退職後の生活費の収支」で説明しましたが、夫婦の老後生活に必要と予想される消費支出額は毎月24万9,000円、ゆとりある老後生活のための上乗せ額は10万円となっており、“ゆとりある老後生活費”は月額34万9,000円です。
一方、収入源である公的年金は、平均的なサラリーマン世帯の場合、月額24万円が支給される金額を目安と考えることができるでしょう。公的年金は原則65歳からの支給(男性は昭和36年4月2日生まれ以降、女性は昭和41年4月2日生まれ以降の場合)ですから、もし60歳で退職したとして65歳までの5年間は収入がありません。その間、消費支出額である月額24万9,000円を使い続けただけでも約1,490万円が必要です。仮に60歳以降は、定年後再雇用で勤務を続けても大幅な収入減となるのが一般的です。65歳以降は公的年金が支給されますので、毎月の差額(消費支出額の24万9,000円と公的年金24万円の差額9,000円)は少額にみえますが、ゆとりのための上乗せ額を考慮に入れ80歳までまかなった場合を試算をすると、15年間で約2,120万円の準備資金が必要になります。やはり若い時期からの資産の貯蓄と運用が欠かせないようです。