- 男だってつらい
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男性の更年期障害は気持ちの問題だと思われている人も多いと思いますが、きちんと医学的に実証されている病気です。正確な知識をもって理解を深めましょう。
男性にも更年期がある
更年期は女性特有のものと考えられてきましたが、実は男性にも更年期があると最近認知されるようになりました。有名なところでは漫画家のはらたいらさんが1992年から更年期障害によるめまい・集中力低下を訴えて連載を減らし、闘病生活に入りました。そしてこの病気を克服したことがテレビなどで紹介されました。
男性の更年期は、男性ホルモンのテストステロンの分泌が急激に減少してしまうために、自律神経失調のような不定愁訴を生じます。これが男性の更年期障害です。テストステロンの分泌は20歳代をピークに、その後、加齢とともに低下していきます。40歳代から60歳代は、男性の社会的責任とストレスが公私ともにかかってきて、テストステロンの減少と相まって発症しやすいといわれています。
■多岐にわたる男性の更年期症状
男性の更年期障害の症状は、疲れの症状が出てくるパターンが多いといわれています。女性の場合は身体的症状が比較的先に現れてきますが、男性の場合は身体的症状よりも精神症状が先に多く現れます。そして、性欲の減退、またはED(勃起不全)となる割合が高く、男性はこうした症状が出て初めて病院を訪れるというケースが多いようです。早めに自己チェックしてみましょう。
精神症状
- うつ症状
- 仕事がつらい
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- 毎日が楽しくない
- イライラするなど
身体的症状
- 疲労感
- 不眠症状
- 筋肉痛
- 肩こり
- 頻尿
- ほてり・のぼせ
- 腰や手足の冷え
- 発汗など
性機能的な症状
- ED(勃起不全)
- 性欲がなくなる
- 朝立ちの回数が減少するなど
男性の更年期障害の治療法
現在のところ、男性ホルモンの注射による男性ホルモン補充療法が一般的です。ただし、子どもをつくる予定がある人は使用できません。また、高齢者に多い前立腺肥大や前立腺がんを引き起こす可能性もあるという副作用があるため、医師と相談しながら治療方法を選択していきます。漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬、勃起障害改善薬などを使用することもあります。
■何科を受診する?
女性なら婦人科や女性外来がありますが、男性は何科を受診すればいいのでしょうか。
精神症状が現れたら、まずは心療内科や内科を受診してみましょう。内科的に異常がない場合は、心療内科もしくは神経精神科を受診してみます。あるいは、男性の更年期障害を扱っている病院(男性更年期外来)を調べ、かかりつけ医に紹介してもらうという手もあります。また、ED(勃起不全)や尿の出が悪いなどのときは泌尿器科を受診してみてください。いずれにせよ、我慢しないで受診しましょう。
更年期を乗り切るために
男性の更年期障害は、まだ治療法が確立されていないというのが現状です。しかし、男性にも更年期障害があるということを認知し、本人も周囲も、理解を深めていくことが大切です。そして、実際に更年期症状を感じるようになってからでも、気持ちを楽しく持てるように、健康管理も含めて、もう一度自分の人生を考え直す時期と前向きにとらえ、改めて人生の質(QOL=Quality of Life)について考えてみましょう。
■男性の更年期に心がけたい10か条
- 1人で悩まないで、家族や友人に思いを伝える。
- 頑張らない。無理をしない。
- バランスのとれた食生活を心がける。
- ストレスを減らす工夫をする。
- おしゃれをして外出する機会を増やす。
- 新しいことに挑戦する(夫婦で共通の趣味を持つ)。
- 健康診断を忘れずに受ける。
- 適度な運動をする。
- 年を取ることを受け入れる。
- 何かあったら、すぐ病院に受診する。