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ストレスをコントロールしよう

生きている限り、ストレスはついてくる

 子どもから大人まで、さまざまな形でストレスを感じているのが今の時代です。ストレスをなくすのではなく、ストレスと上手く付き合うことが大事です。

ストレスの時代

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 価値観や時代が大きく変わるとき、人はたくさんのストレスを受けるといわれます。
 少子高齢化社会、IT社会、グローバル経済下の競争社会、格差社会の進行。温暖化などによる地球環境の変化を実感する日々。身近な場所から少なくなりつつある自然。かつて経験したことのないスピードで変化する社会のたくさんの出来事や、家庭生活のこと、職場環境の問題までが、私たちにストレスとなって襲いかかります。
 これまでも人はストレスとともに生きてきましたが、現代のストレスはこれまでになかった新しい社会のなかで生きることのストレスが大きいとも言えます。
 ストレスに対する耐性は個人差が大きいのですが、ストレスが蓄積し慢性化すると、こころの健康を損ねたり、さまざまな病気を引き起こす要因にもなります。最近では、子どもの胃・十二指腸潰瘍やうつ病も増えています。
 ストレスの原因はさまざまで、社会的要因も多いのですが、生きていく限りなくならないのであれば、ストレスを知り、できれば上手にコントロールしたいものです。

ストレスが体に悪いのはなぜ?

ストレスが免疫機能を弱くする

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 ストレスがこころや体に深く関係しているのが、自律神経です。自律神経系は大脳の意志や指示に関わりなく、独立して内臓などを動かしている神経系で、交感神経と副交感神経があります。緊張や不安などの外部刺激(ストレッサー)を大脳の視床下部が認知すると、その情報は脳の奥から自律神経を伝わって内分泌系に伝わります。内分泌系は体の働きを調整する役割を果たし、消化液やホルモンなどを分泌します。ストレスが長引くと、これらの自律神経系と内分泌系の緊張状態から、食欲の低下、疲労感、不眠、イライラなどさまざまな症状や病気を引き起こします。
 また、脳のなかをストレス刺激が伝わるときに出た神経伝達物質がリンパ球を刺激して、免疫機能が乱れることもあります。免疫系はウイルスや細菌をはじめとする異物の侵入から体を守るための防御機能を司るシステムですから、この仕組みが正常に働かないと、感染症にかかりやすくなったり、アレルギーやがんなどの病気を引き起こすことにもなりかねません。
 実際、多くの病気がストレスをその要因の一つとしています。

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ストレス解消法

質のよい睡眠

 睡眠は脳や神経の疲れを取ってくれます。また、よい睡眠がとれると、大脳の生命中枢にある自律神経系やホルモン系、免疫系の機能も正常に整えられ、心身のバランスが安定した状態になります。ストレスの解消や病気の人に何よりも必要なのは睡眠です。
 厚生労働省は「健康づくりのための睡眠指針」を提唱していますが、自分のために、よい睡眠を確保するよう努力したいものです。

食生活も大事

栄養のバランスがよいとストレスも小さい

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 バランスのよい食事をとっているほうがストレスに対する抵抗性があり、ストレスが小さくすむのです。

ストレスに抵抗力がつく食べ物は緑黄色野菜

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 食品のなかで緑黄色野菜を中心とした野菜、果物、乳製品、魚介類などのビタミン、ミネラル、たんぱく質が多く含まれている食品が、ストレスに対する抵抗力を高めてくれます。

たんぱく質をとる

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 たんぱく質は細胞の主要な構成成分であり、ホルモンや酵素を形づくったり、血液中で酸素を運んだり、脂質の運搬にも必要なものです。ですから、ストレスによってたんぱく質が分解されたら、補給する必要があります。

ビタミンCをとる

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 強いストレスを受けると、ホルモンが多量に分泌されるので、ビタミンC不足が起きやすくなります。また、ビタミンCは、白血球のなかにも多く含まれていて、免疫力を高める作用があります。ですから、ストレスによって免疫能力の低下が起こった際、ビタミンCの摂取は効果的です。

ビタミンAやベータカロテンをとる

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 ストレス時は胃腸の粘膜障害が起こりやすいので、ビタミンAの補給も積極的に。
 ベータカロテンは体内でビタミンAに変わるだけでなく、ビタミンCやEと同様に、酸化をおさえる働きをします。高齢やストレスで体の抵抗力が弱まると、酸化のため細胞が傷つき、老化を促進する原因にもなっていますが、ベータカロテンをとり、ストレスによって起こる体内の酸化を抑えることで、老化の進行を遅らせることができます。

ビタミンBをとる

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 ストレスでエネルギーの代謝が高まると、ビタミンB1、B2の消費が進みます。また、ビタミンB1は、中枢神経の細胞膜に作用し、神経細胞の興奮伝達を行っていますから、神経を使う仕事が続いたときや過労のときは、ビタミンB1の補給が必要です。

ミネラル分をとる

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 カルシウム不足は神経などの興奮を高めます。
 マグネシウム欠乏はうつ状態を引き起こします。
 マグネシウムはエネルギー代謝や体温調節、神経の興奮、筋肉の収縮、ホルモンの分泌に関係しているので、ストレスが大きいと多く消費されます。

厚生労働省「健康ネット」より

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|ストレスに強くなる食生活のポイントは|

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  • 食事は規則正しくとり、欠食・間食はさける。
  • やけ食い、衝動食いはしない。
  • たんぱく質、ビタミンA・Cを十分にとる。
  • カルシウムなどミネラルを十分にとる。

厚生労働省「健康ネット」より

リラックスでこころを癒す

 自分に合った、そのときできるリラックス法を見つけておくといいでしょう。

ストレス解消入浴法

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 ストレスがたまっているときほど、ゆっくりと入浴することが大事です。
 お湯の温度はぬるめにして、20〜30分ゆったりとつかります。
 お風呂では、汚れを落とすだけでなく、簡単なストレッチや足裏マッサージ、つぼの指圧などもして、体とこころの緊張をとき放して、リラックスしましょう。

音楽の癒し

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 人間の脳波には、アルファ波、ベータ波、デルタ波、シータ波の4種類があり、一般的に、安らぎを感じるときはアルファ波が優勢になり、緊張状態のときにはベータ波が優勢となるなど、こころの状態により脳波は変化すると言われています。
  好きな音楽や、穏やかで優しい旋律、川のせせらぎや風のそよぎ、波の音など、テンポがゆったりしたやわらかな音楽、ヒーリングミュージックを聴くと、心身とも安らぎ、脳からはアルファ波が出てリラックスモードになります。
 もちろん、声を出して歌うこと、楽器の演奏もストレス解消にいいことは、経験済みの方も多いことでしょう。

自然に触れる

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 土に触れ、野山を歩くだけで、不思議にこころが落ち着くものです。
 森や林での森林浴で、フィトンチッド(植物が自ら発散している天然の殺菌物質、自律神経を安定させる効果があるといわれている)を思いっきり浴びてくる。
 ウォーキングでも、ハイキングでも、サイクリングでも、自然のなかへ出かけて行き、思いきり呼吸をしてみる。家庭菜園を楽しむのもいいかもしれません。

アロマテラピー

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 植物の香り成分を嗅ぐことで、体やこころを健康にしようというのがアロマテラピー(芳香療法)です。アロマポットやキャンドルに入れて楽しむだけでなく、ハンカチやコットンに含ませ枕元に置く、お風呂に落としてハーブバスにする、なども効果的です。
 ラベンダーの香りは不安と緊張をほぐし、安眠効果があるといわれています。

腹式呼吸

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 吐くことに重点を置いたのが腹式呼吸です。ポイントは吸うときにおなかを膨らませ、吐くときはおなかをぺちゃんこにするつもりで吐くことです。吸うよりも吐く息を長くするのがコツです。休息の神経である副交感神経が働き、リラックスモードになります。毎日5分でも10分でも。仰向けの姿勢でもできますから、寝る前に行うと効果的です。

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心身の緊張を解く自律訓練法

 リラクセーション(relaxation)の一つ、「自律訓練法」のなかの「手足の温感訓練」というメニューをやってみましょう。

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  1. 姿勢を整え、ゆっくりと大きく腹式呼吸を2〜3回繰り返す。目は軽く閉じる。
  2. ゆっくり息をしながら、体のなかの力を抜く。
  3. 右手(左手でも、慣れてくれば両手でもよい)にそれとなく気持ちを向ける。「気持ちが落ち着いている、右手が温かい」と呼吸に合わせて5回から10回ゆっくりとなえる。
  4. 両手でこぶしを作り、胸元に強く引き寄せる。次に思いきり延ばしながらこぶしを開く。これを3回繰り返す。
  5. 腹式呼吸を2〜3回行って、ゆっくり目を開く。

以上を5〜10回繰り返す

 以上を毎日朝、昼、夜に繰り返します。回数にはこだわらず、毎日続けるのが効果的。早い人で2〜3日で温かさを感じます。1ヵ月近くかかる人もいるので、あせらないこと。 訓練中に、気持が悪くなった、不安定になった、苦しくなった、動悸がした、体に痛みが走ったなどの場合はとりあえず中止します。

|リラクセーションのための準備|

 明る過ぎず、暗過ぎず、適度な温度で、なるべく静かな部屋で。
 ベルト、ブラジャー、ガードルなど体を締め付けるものははずします。自宅の場合は靴、靴下も付けないようにします。
 空腹や満腹の状態は避けましょう。
 これらの条件が整っていないとできないということではないので、あまり神経質にならないことが大切です。

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