「年金終価係数」についてみていきたいと思います。年金終価係数とは、名称はいかめしいですが、「毎年、一定額ずつ一定期間にわたって積み立てていくと、一定の利率のもとで将来いくら受け取ることができるのか」を考える際に利用できるとても便利な係数なのです。私たちの多くは、多かれ少なかれ、毎年、一定の貯蓄をしています。「私は毎月1万円なので年間12万円」とか「毎月は5,000円だけど夏・冬のボーナス時に10万円ずつ、合計年間26万円!」とかいった貯蓄です。無理のない範囲あるいは多少無理してもこつこつと貯蓄をするのです。
さて、こつこつと貯めることはすばらしいのですが、果たして、貯める間の利息も含めて将来、いったい、いくらになるのでしょう。「やみくも」に「できるだけ」の金額を貯めておくことも立派なことではありますが、計画的に目標を定めることもまた重要です。
ここに登場するのが年金終価係数です。こつこつと貯めたお金の合計が、しかも利息を含めた元利合計がいくらになるのかなんて、計算したくても複雑そうでやる気がおきません。この複雑さを払拭してくれるのが年金終価係数なのです。
表をご覧ください。横軸は利率、縦軸は積立の年数を表しています。例えば、毎年30万円ずつ貯蓄し、利率が1%であれば、20年後にはいくら受け取れるでしょう。
さて、こつこつと貯めることはすばらしいのですが、果たして、貯める間の利息も含めて将来、いったい、いくらになるのでしょう。「やみくも」に「できるだけ」の金額を貯めておくことも立派なことではありますが、計画的に目標を定めることもまた重要です。
ここに登場するのが年金終価係数です。こつこつと貯めたお金の合計が、しかも利息を含めた元利合計がいくらになるのかなんて、計算したくても複雑そうでやる気がおきません。この複雑さを払拭してくれるのが年金終価係数なのです。
表をご覧ください。横軸は利率、縦軸は積立の年数を表しています。例えば、毎年30万円ずつ貯蓄し、利率が1%であれば、20年後にはいくら受け取れるでしょう。
■年金終価係数
1.0% | 1.5% | 2.0% | 3.0% | 4.0% | 1年 | 1.00000 | 1.00000 | 1.00000 | 1.00000 | 1.00000 | 2年 | 2.01000 | 2.01500 | 2.02000 | 2.03000 | 2.04000 | 3年 | 3.03010 | 3.04522 | 3.06040 | 3.09090 | 3.12160 | 4年 | 4.06040 | 4.09090 | 4.12161 | 4.18363 | 4.24646 | 5年 | 5.10101 | 5.15227 | 5.20404 | 5.30914 | 5.41632 | 6年 | 5.41632 | 5.41632 | 6.30812 | 6.46841 | 6.63298 | 7年 | 7.21354 | 7.32299 | 7.43428 | 7.66246 | 7.89829 | 8年 | 8.28567 | 8.43284 | 8.58297 | 8.89234 | 9.21423 | 9年 | 9.36853 | 9.55933 | 9.75463 | 10.15911 | 10.58280 | 10年 | 10.46221 | 10.70272 | 10.94972 | 11.46388 | 12.00611 | 11年 | 11.56683 | 11.86326 | 12.16872 | 12.80780 | 13.48635 | 12年 | 12.68250 | 13.04121 | 13.41209 | 14.19203 | 15.02581 | 13年 | 13.80933 | 14.23683 | 14.68033 | 15.61779 | 16.62684 | 14年 | 14.94742 | 15.45038 | 15.97394 | 17.08632 | 18.29191 | 15年 | 16.09690 | 16.68214 | 17.29342 | 17.29342 | 20.02359 | 16年 | 17.25786 | 17.93237 | 18.63929 | 20.15688 | 21.82453 | 17年 | 18.43044 | 19.20136 | 20.01207 | 21.76159 | 23.69751 | 18年 | 23.69751 | 20.48938 | 21.41231 | 23.41444 | 25.64541 | 19年 | 20.81090 | 21.79672 | 22.84056 | 25.11687 | 27.67123 | 20年 | 22.01900 | 23.12367 | 24.29737 | 26.87037 | 29.77808 |
横軸「1.0%」と縦軸の「20年」が交差しているセルには「22.01900」と記入されています。この数値(年金終価係数)に30万円を掛けると答えが出てきます。今回の場合は約660万円になることがわかります。とても簡単です。
現在は超低金利で年間の利率が0.1%程度という場合も少なくありません。0.1%で20年間積み立てる場合の終価係数を計算すると20.19114になります(これは表にはありません)ので、将来の積立額は約605万7千円になります。0%で積み立てると600万円ですから、約6万円弱多めに受け取ることができます。0.1%ではありますが、無視はできません。
余談ですが、年金終価係数は企業が事業を行う際の意思決定にも利用されています。事業を行う際には資金調達が必要となりますが、資金を借り受けて事業を行うべきかの判断材料になるのです。利率を借入利率、年数を借入期間と考えるのです。例えば、ロケットを打ち上げて宇宙開発に乗り出す企業を考えてみましょう。「年利4%で、毎年1億円ずつ借り入れて5年後にロケットを打ち上げる。打ち上げによる収入は5億5千万円」という事業計画は妥当でしょうか?
年金終価係数表の利率が4%で5年のセルには「5.41632」という係数があります。つまり、年利4%で毎年1億円ずつ借り増していくとすればその額は元利合計で5億4千万円程度になるのです。この事業計画のコスト5億4千万円程度ということになります。収入は5億5千万円と見込まれているので、この事業計画は「妥当」との判断を下すことができるのです。もっともロケットがうまく打ちあがれば、の話ですが。
年金終価係数は、家計においてもさまざまな場面で応用できそうです。
現在は超低金利で年間の利率が0.1%程度という場合も少なくありません。0.1%で20年間積み立てる場合の終価係数を計算すると20.19114になります(これは表にはありません)ので、将来の積立額は約605万7千円になります。0%で積み立てると600万円ですから、約6万円弱多めに受け取ることができます。0.1%ではありますが、無視はできません。
余談ですが、年金終価係数は企業が事業を行う際の意思決定にも利用されています。事業を行う際には資金調達が必要となりますが、資金を借り受けて事業を行うべきかの判断材料になるのです。利率を借入利率、年数を借入期間と考えるのです。例えば、ロケットを打ち上げて宇宙開発に乗り出す企業を考えてみましょう。「年利4%で、毎年1億円ずつ借り入れて5年後にロケットを打ち上げる。打ち上げによる収入は5億5千万円」という事業計画は妥当でしょうか?
年金終価係数表の利率が4%で5年のセルには「5.41632」という係数があります。つまり、年利4%で毎年1億円ずつ借り増していくとすればその額は元利合計で5億4千万円程度になるのです。この事業計画のコスト5億4千万円程度ということになります。収入は5億5千万円と見込まれているので、この事業計画は「妥当」との判断を下すことができるのです。もっともロケットがうまく打ちあがれば、の話ですが。
年金終価係数は、家計においてもさまざまな場面で応用できそうです。