仕事やお出かけで、お疲れで深夜帰宅。ちゃんと作るのは面倒だな、かといって、コンビニやスーパーのお弁当で済ませるのもちょっと…という方も多いのでは?時に出来合いや外食に頼るのもありですが、それが毎日、また遅い時間になればなるほど、胃腸も疲れてしまいます。
そこで、今回は、「簡単にパパッと作れて、栄養もしっかり摂れる夜食」をご紹介したいと思います。
夜食(夕飯)は、1日の活動源となる朝ごはんやランチとはまた違い、その後「就寝する」ことも考慮に入れなければいけません。安眠するためには、寝る3時間前までに夕飯を済ませた方がいいとよく言います。それは満腹状態、胃に食べ物がつまった状態で寝ると、就寝中に消化活動が行われ、脳が覚醒してしまうため。また、睡眠によって消化活動しきれない食べ物のカスが胃のなかに溜まり、寝覚めが悪い、起きても胃がもたれている、という不調の原因につながるからです。
そこで、夜食を早めに済ませるよう努力するのはもちろんのこと、夜食を食べる際に意識しておきたい4つのポイントをご紹介します。
消化によい食材を選ぶ
タンパク質を多く含む豆腐やみそなどの豆類は、消化によい食材の代表格。また米などの穀物類やうどん、そうめんなどの麺類も。野菜でいえば、カブ、大根、ニンジン、じゃがいもなど。さらに、ご飯を食べるなら、おかゆやお茶漬けにすると、さらに消化しやすくなります。
白米より玄米
白米に比べて、玄米や麦は低GI食品です。低GI食品とは、食べた後の血糖値の上昇が緩やかな食品を言います。メタボや糖尿病の症状によっては、白米を禁止される人もいるように、白米などの炭水化物は、食べた後の血糖値が急激に上がりやすく、脂肪を体内に溜め込みやすい体質にしてしまうのが特徴。そこで、白米よりも玄米、また白米に麦やひえやあわなどをミックスした五穀米などを食べるのがおすすめです。
カロリーは控えめに
女性に限らず、最近では男性もカロリーを気にする人が増えてきているようです。特に消化活動が減る時間帯に食べる夜食はカロリー控えめがベスト。食材を選ぶ基準としては、消化によい食べ物=カロリー控えめであることが多いです。低カロリーで有名なのは、こんにゃくやしらたき、そして豆腐やおからなどの大豆製品です。
冷より温を
より消化を促すためには、冷たいものよりも温かいものを選びましょう。夏だからといって、冷たいものばかり食べていると腸が冷えて不調の原因にもつながります。おすすめは、温かい汁ものを一番最初に飲んで腸を温めてから食事をすること。食べている最中に体がぽっぽっと温かくなっていくのを感じられるはず。また、温かいものには、ほっとリラックスさせる効果も。即席の味噌汁やスープをメイン料理にプラスするだけでも十分です。
夜食を簡単に作る決め手は、「作り置きのお惣菜」と残り物を「アレンジする技」も大切です。余裕のある日に多めに作り置きしておいたお惣菜は、とっても便利な料理アイテム。少し手を加えるだけで立派な夜食に早変わりします。そこで、いくつか作り置きのお惣菜や前日の残り物から変身させた、簡単夜食レシピをご紹介します。
■レシピ1 きんぴら⇒チャーハン
【材料】
きんぴら、ベーコン、玄米ごはん、白ゴマ、ゴマ油…各適量
【作り方】
①ゴマ油をひいたフライパンで細切りにしたベーコンを炒める。火が通ったらきんぴらを入れて軽く混ぜ合わせる。
②さらに、玄米ごはんを入れて混ぜ合わせたら完成。(味をみて薄ければ軽く塩をふる。)最後にお好みで軽く白ゴマをふっても。
きんぴらにしっかり味がついているので、余計な味付けは必要なし。またベーコンから出た油もコクになります。味噌汁などをプラスすると栄養バランスもいいです。
■レシピ2 ポテトサラダ⇒投入ポテサラドリア
ポテトサラダ→豆乳ポテサラドリア
【材料】
ポテトサラダ、ごはん(今回は七分づき米を使用)、豆乳、片栗粉、みそ、とろけるチーズ、塩・こしょう…各適量
【作り方】
①ポテトサラダをフライパンに入れ、中火にかけながら豆乳を加える。ポテトサラダがひたるぐらいの量を入れたら、みそを少々隠し味程度に加えて、軽く混ぜ合わせる。さらに木べらでかき混ぜながら片栗粉を少々入れてとろみをつける。
②①にごはんを入れ、軽く混ぜ合わせる。(とろみや水分が少なくなったら、豆乳を少しずつ様子を見ながら追加して。)最後にとろけるチーズをのせて、お皿に盛り付ければ、簡単豆乳ポテサラドリアの完成。
トースターやオーブンでチンせず作れるお手軽ドリアです。ごはんを茹でたショートパスタに変えたり、ごはんを入れずに豆乳多めでクリーミーなグラタン風にしても◎。また、これにカットトマトを加えればイタリアンな味にも変身します。
■レシピ3 とんかつ→かつ丼
【材料】
とんかつ、玉ねぎ、濃縮めんつゆ、(あれば白だしも)、ごはん、卵…各適量
【作り方】
①少し深めのフライパンや鍋に、濃縮めんつゆ(と白だし)を水で薄めたものを入れて中火にかける。つゆの量はお好みだが、具材が浸る程度の量は欲しい。薄切りにした玉ねぎを入れてしんなりするまでぐつぐつと煮る。
②①にとんかつを入れてつゆに少々浸す。最後に溶き卵を流し入れて、お好みの硬さになったらごはんの上にのせて完成。
こちらは、残り物アレンジの定番メニューでしょう。お肉も入っているため、カロリーも高め、ボリュームもありますが、ご飯を玄米にしたり、玉ねぎを多めにするなどして栄養バランスをとっています。
■レシピ4 ラタトゥイユ→具だくさんトマトスープ
【材料】
ラタトゥイユ、コンソメ、水、(あれば押し麦)…適量
【作り方】
①鍋に、ラタトゥイユと水(と押し麦※2分ぐらい茹でることでふっくらとする)を入れ、煮立たせる。
②コンソメを入れて味を調えれば、具だくさんトマトスープのできあがり。
野菜もたっぷりとれて、とにかく簡単。また、押し麦を加えるとプチプチとした食感と、お腹の満足度もアップします。ラタトゥイユはとにかく万能惣菜。これにカレー粉やカレールーを加えればカレーに、パスタの上にのせれば野菜たっぷりのトマトパスタに、とアレンジの幅も色々です。
■レシピ5 カレー→カレーにゅう麺
【材料】
カレー、そうめん、濃縮めんつゆ、(あればだし汁)…お好み量
【作り方】
①そうめんを茹でる。別の鍋で濃縮めんつゆを水(だし汁)で割ったつけ汁を煮立たせる。熱さはお好みでOK。
② お皿に、つけ汁を入れ、茹でたそうめんを入れ、カレーをのせれば出来上がり。
カレー南蛮のそうめん版のイメージです。そうめんだと早く茹で上がり、消化がいいのもポイント。めんつゆの味だけでもいいですが、かつおや昆布などでとっただし汁で割るとより栄養価もアップし、本格的な味わいに。カレーがつけ汁に溶け出した汁も美味です。
このように、作り置きとアレンジ心があれば、夜食も簡単に、そしてほっと一息できる楽しいひとときに変わるはずです。最後に、作り置きも何もない!という時に、イチから簡単に作れる夜食レシピを3品ご紹介します。これは、本当に簡単でヘルシーです。
■レシピ1 3色ねばねば丼
【材料】
おくら、納豆、もやし、卵、醤油(だし醤油でも)…各適量
【作り方】
①たっぷりの水に塩少々を入れて、おくらを茹でる。時間差でもやしも入れて同時に茹で、ざるにあげておく。粗熱がとれたら、もやしは塩、こしょう、ゴマ油少々でナムルにする。
②玄米ごはんの上にカットしたおくらともやしナムルと納豆を盛る。最後に卵を落とし入れて、お好み量の醤油やだし醤油をまわしかけて完成。
オクラがなければ、ほうれん草や小松菜のナムルや炒め物などに変えるなど、冷蔵庫のある食材で、具材は変化させてもOK。ねばねばが入らないとビビンバ風になります。
■レシピ2 シャケと蒸し野菜のバター醤油あえ
【材料】
シャケ、野菜(キャベツ、もやし、玉ねぎなど火が通りやすいのがベスト)きのこ類(あれば)、バター、醤油…各適量
【作り方】
①ホーローや無水鍋など野菜の水分だけで蒸せる鍋の底にクッキングシートをしき、シャケを置く。その上に適当にカットした野菜ときのこをたっぷりとのせ、バターと軽く塩をふって蓋をして蒸し上げる。中弱火で10分ほど。
②シャケと野菜に火が通り、しんなりしてかさが減ったら出来上がり。
野菜の水分だけで蒸し上げるレシピです。野菜もたっぷり食べられて、具材をどんどんのせていくだけのお手軽レシピ。適した鍋がない場合は、アルミホイルに包んで、トースターでチンしてもできます。また、最近では、電子レンジでチンするだけのシリコンスチーマーという調理器具もあるので、それを利用すればもっと簡単です。
■レシピ3 豆腐サラダ
【材料】
豆腐、もやし、乾燥わかめ、お好みのドレッシング…各適量
【作り方】
① もやしを茹で、時間差で同じ鍋に乾燥わかめを入れて戻す。ざるにあげ水気をきる。
② お好み量の豆腐を盛り付け、①をのせれば完成。ゴマだれとポン酢を合わせたドレッシングがおすすめです。
究極に簡単でヘルシーな夜食。ダイエットしたい、とにかく作るのが面倒、という時のお助けレシピです。豆腐の量を多くすればするほど、お腹もいっぱいに。もやしがなければ、わかめをたっぷりとのせるだけでも十分満足感があります。
今回ご紹介した夜食レシピは、『簡単に作れる』ことを大前提とし、消化によい食材や栄養バランスを考えた一例になります。料理そのものが億劫という方も多いかもしれませんが、自分で作った出来立てのご飯は、ストレスフルな毎日の癒しにもなってくれるはず。自分なりに、簡単にできる夜食レシピを増やして、家ご飯を楽しんでみてはいかがでしょうか?
編集プロダクション、WEB制作会社を経てフリーランスに。フード、ファッション、介護などの媒体で、取材・執筆・編集を担当。食べることが大好きで、フード系の取材は多い月で30件にも及ぶ。最近では横浜の農を普及する「はまふぅどコンシェルジュ」を取得。月刊誌「カフェ&レストラン」(旭屋出版社)では、野菜がおいしいお店を紹介する『VegiLove』を連載中。
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