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【健康を考える】サプリメントの気になる話①サプリメントの基礎知識

食生活が偏りがちな昨今、サプリメントに頼る人が増えているように思います。サプリメントを常用している人、サプリメントを飲んでいるから大丈夫と思っている人、サプリメントがなければ不安という人・・・あなたもそんな一人ではありませんか? それは何のためでしょうか?
あんな小さい一粒で、本当にあなたの期待は叶えられるものか? そもそも、サプリメントは薬なのか食品なのか? サプリメントについて少し知識を広げてみませんか?

サプリメントはあくまでも「補うもの」

サプリメントといえば、粒状やカプセルの形をしたもの。薬品のように見えますが、決して医薬品ではありません。食品の一つとして、日常の食事で不足しがちな栄養素や健康のために特定の成分を補うことが目的です。

1.サプリメントってなに?
2.サプリメントのいいところ
3.品質を見分けることが大切
4.初めてのサプリメント
5.そのサプリメント、自分にあってる?
6.こんなことに注意を

1.サプリメントってなに?

サプリメントは加工食品

サプリメント(suplement)は英語で「補うもの」の意味です。厚生労働省と消費者庁では、“一般に広く健康の保持・増進に役立つ食品として販売・利用されるもの全般を指し、形状は加工食品、飲料、サプリメント等全てを含む」と定義しています(薬事法上の定義ではありません)。さらに、「健康の保持増進効果」があるかどうかが、確認されているものもあれば、そうでないものもあります”とコメントをしています。
確かに、サプリメントにはハッキリとした効果などが書かれていません。これは薬事法で医薬品を連想させるような効果・効能を表示することが厳しく制限されているためです。しかし、ビタミンやミネラルの量が一定の基準をみたしているサプリメントには、栄養機能食品として表示を承認しています※。つまり、サプリメントは法律で定められている医薬品とは違って、効果を保証するものではなく、あくまで食品(加工食品)なのです。
サプリメントは元々、特定の栄養素を集中的に摂ることを目的として誕生しました。食事だけでは補えきれないような栄養素を補給するために開発されています。 上手に使って健康増進に役立てましょう。
※ 2009年9月から栄養機能食品の取り扱いは消費者庁に移行しました。

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2.サプリメントのいいところ

特定の栄養成分だけを集中摂取

サプリメントの優れたところは特定の栄養成分だけを集中的にとれることです。食品中にある栄養素を積極的に摂ろうとすると、その食品に付随するエネルギー(カロリー)や脂肪なども一緒に食べてしまわなければなりません。すると目的とする栄養成分を多く得るためにカロリーオーバーなどを起こしてしまいがちです。また特定の食品ばかりを食べなければならなくなり、栄養の偏りを起こす場合もあります。
例えば乳酸菌のサプリメントと同じ量の乳酸菌を全てヨーグルトで補おうとすると、ヨーグルトを1升ビン1本以上も食べなければならないケースもあります。現実問題としてそれだけの量のヨーグルトを食べることは出来ません。こういったシーンにサプリメントが活躍するのです。
サプリメントの主なメリット
  • ○余分なエネルギー(カロリー)や脂肪を摂らずに必要な栄養成分だけをとれる
  • ○マルチビタミン、マルチミネラルなど多種類の栄養素を組み合わせたものがある
  • ○特に病気でなくても使える
  • ○長期保存ができる
  • ○無味無臭で、食品の好き嫌いに関わらずに栄養成分を摂取できる
  • ○食事内容に関係なく必要な栄養成分を得られる
など

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3.品質を見分けることが大切
購入時に注意したいのが品質です。日本のサプリメント市場では、まだ国による品質管理基準がないため、低レベルのものが混じっていることがあります。また、価格が高いほど品質が高いという保証もありません。そこで、自分でできるチェック方法をご紹介します。

成分表示を確認する

成分表示はサプリメントの包材やカタログ、ホームページなどにあります。
原材料、栄養成分(含有量)、販売元及び連絡先、保存方法、賞味期限(包材のみ)のほか、アレルギー表示(表示が必要な原材料を使用している場合)などを確かめましょう。
このほか、特定の栄養素のサプリメントに「健康増進に関わる栄養機能の表示」があります。この栄養機能食品の表示について、カルシウムを例にすると、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」となっています。表示できる栄養素は一部のビタミン・ミネラル類ですが、文末が「栄養素です」で終わっていることが目安になります。これは健康増進法で認められたものです。

問い合わせ窓口の有無

製品のサポートも品質の一つです。疑問に思ったことは、積極的に質問しましょう。連絡先が不明、対応に納得がいかない、企業秘密とごまかされた、などの場合は信頼度の低い企業と判断できます。

GMPマーク

GMPマーク
「GMPマーク」は一般社団法人日本健康食品規格協会(JIHFS)により、製造管理、品質管理など、健康食品の原材料の受け入れから最終製品の出荷に至る全工程において、定められた管理水準と管理手法が具体的かつ適切に運用されていることを保証されていることを示すものです。
つまり、「製造品質が一定のレベルである」と保証するものなのです。
品質を守るためには、こんなことに注意

◆表示してある保管方法を守る

保存方法はサプリメントの包材に明記してあります。たいていは高温多湿や直射日光を避けるような内容です。これは、空気に触れると成分が変質、損失してしまうものがあるからです。さらに直射日光を受けると成分の劣化や崩壊を起こして本来の品質を維持できなくなります。このためにサプリメントは茶色や白色の濃い色のボトル、あるいは中身が見えない包材で日光を遮断しているのです。さらに密封容器で湿気や空気から製品を守っています。
このことから、販売時のパッケージから家庭にある空ビンや持ち運び用のケースに移し替えるときには注意が必要です。サプリメントが透けて見えるような容器は直射日光を浴びやすいので、棚やカバンの奥にフタをきっちりとして保管するようにしましょう。

◆賞味期限の範囲で消費する

購入後の品質を維持するには、賞味期限を守ることが重要です。賞味期限とは『20**、*年*月』とラベルの裏に書かれているものです。賞味期限内であれば、一定の品質が保証されています。ただし、賞味期限は「未開封の状態で表示してある保管方法で保存した場合」です。開封後は、記載のある目安量に従って連続使用をした期間が賞味期限に相当します。賞味期限を過ぎた場合、品質は時間と共に劣化していきます。もったいないからとそのまま長期保存をしてはいけません。早く使い切ってしまうか、思い切って処分してしまいましょう。未開封・開封後を問わず、賞味期限を越えても使いきれないようなサプリメントは買わないようにします。まとめ買いはかえって損です。

 

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4.初めてのサプリメント

まずは健康状態をチェック

初めてサプリメントを使ってみようと思われる人は、自分の健康に役立つものを第一に選びたいものです。
そこで、まずは食事内容の偏りなどを見直してみましょう。不安がある場合は、底上げするためにマルチビタミンやマルチミネラル、ビタミンB群など栄養素が複合的に含まれているものがいいでしょう。また、これらの栄養素は食事と共に使うことで、本来の働きを発揮しやすくなります。
また、病名はつかないけれど体の不調が気になる場合があります。自分の健康状態に的確にあったものを選ぶのは難しいことです。医師や薬剤師、管理栄養士、もしくはサプリメントに関する資格をもった専門家に相談しましょう。メーカーや販売業者によっては専門家による相談窓口を設けていますので、利用するのも1つの方法です。

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5.そのサプリメント、自分にあってる?

サプリメントは万能ではない

どんなサプリメントでも万能ではありません。自分にあっているか、あるいはあっていないかは誰にも予想がつかないものです。利用しているサプリメントがに必要なものであるかの判断基準は自分自身の体調です。しっかりと自分の体の声に耳を傾けましょう。

1か月経過したら使用前後の体調を比較

サプリメントを表示されている方法で1か月程度連続使用をし、使用前から使用後の体調を比較します。複数のサプリメントを使用している場合は、一旦全てを1か月程度休止し、1種類だけを1か月連続使用をして体調を確認します。その後同様に一度全てを休止し、更に別の種類を試してみましょう。(1か月の期間はあくまで目安です。サプリメントの種類や個人差があります)
体の不調が解消していれば必要なサプリメント、特に変化がなければ不要なサプリメント、逆に不調を感じていれば、合っていないサプリメントです。吐き気やめまい、下痢、湿疹などの不調を軽く見てはいけません。このような場合は即座に中止します。

陽転反応に注意を

そこで注意したいのが「陽転(好転)反応」という用語。これは医学的にも科学的にも根拠のない言葉です。業者によっては「病気が治る過程で起きる一時的な不調。乗り越えれば回復する」「体が毒素を出している証拠」などと、サプリメントを使用したことによる体調不良を隠すことがあります。しかし、実際にはアレルギー反応や、過剰症などを起こしているなど、サプリメントによる弊害(健康被害)が起きているのです。中止すると回復する場合がほとんどですが、大きな病気の引き金になることもあるため必ず医療機関を受診しましょう。

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6.こんなことに注意を

治療に悪影響があることも

サプリメントは医薬品の作用に影響を及ぼす場合があります。健康増進のためのサプリメントが、治療の足を引っ張ることも少なくありません。薬による治療を受けている場合は必ず主治医に相談します。妊娠中も同じく医師に確認が必要です。「サプリメントを利用する目的」や「サプリメントの種類」、「使用量」などをかかりつけの医師に伝えて相談しましょう。 また、身近な友達などから「あるサプリメントで体調が良くなった」と勧められることがあります。ですが、サプリメントも多岐に渡る種類があり、Aさんの健康状態にマッチしていたとしても、あなたの健康に必要なものかどうかはわからないのです。まずは自分の体調を優先して考えましょう。
このほか、注意したい成分に「大豆イソフラボン」があります。この成分は「特定保健用食品としての、大豆イソフラボンの安全な1日上乗せ摂取量の上限値を30mg」と上限値が設定されています。サプリメントについては評価されていませんが、この値を参考に過剰な使用とならないようにします。
このほか、鉄やカルシウムについては、必要性を感じるときには実は治療が必要であったというケースが少なくありません。まずは医療機関で受診し、病気が隠れていないかの確認が必要です。
菊池真由子(管理栄養士 健康運動指導士 NR・サプリメントアドバイザー)
大阪大学保健センター、フィットネスクラブ、国立循環器病センター集団検診部を経て、インターネットなどで病気の予備軍の人達への栄養指導を専門に20年あまり従事。特にダイエット、生活習慣病、メタボ対策、健康づくりなどを中心に行う。サプリメントの専門家としても幅広く活動し、マスコミ取材も多数。
著書に『免疫力を上げるコツ』『免疫力を高めるとっておきメニュー』『がん予防に役立つ食事・運動・生活習慣』『40歳からの健康ダイエット』『花粉症からあなたを守る食事学』『あなたと家族を守る がんになりにくい、再発しにくい 食事と生活習慣』など。



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