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【元気な暮らし】 春の日差しにご用心

紫外線には、ビタミンDの生成や殺菌作用という利点がありますが、浴び過ぎるとさまざまな健康被害をもたらしてしまいます。ところで紫外線は夏に強くなると思っている人も多いのではないでしょうか。実際は、4月から9月が最もその量が多くなります。年間を通じて気をつけなければなりませんが、特に春の日差しに注意しましょう。

夏より怖い春の日差し

1.春から紫外線対策を
2.3つの紫外線
3.紫外線による悪影響

1.春から紫外線対策を

対策を怠ると、じわじわとダメージが

 ポカポカと春の陽気がうれしい季節、暖かい日差しが待ち遠しかっただけに、外の空気を思い切り体全体で浴びたいと思ってしまいます。
 しかし、春も紫外線対策を怠ってはいけません。冬は紫外線の少ない季節だっただけに、肌も紫外線防止機能が低下しています。つまり、紫外線に対するお肌の準備ができていない状態で、急に強い紫外線を浴びてしまうと、より大きなダメージを受けてしまうかもしれません。しかもそのダメージは、すぐに皮膚に現れるわけではありません。じわじわと、時間をかけてシミやソバカスとなって現れてきます。目にもダメージがあります。
 紫外線の量は、時刻や天候などによっても変わりますが、季節で見ると、年間で5月〜9月が最も多くなります。また、4月から高い数値を示すようになり、4月の量は9月の量とほぼ同じです(図1)
では、具体的に紫外線の健康に及ぼす影響を考えていきましょう。

■図1 日最大UVインデックス(指数0〜13)
【UVインデックス】 札幌【UVインデックス】 仙台

【UVインデックス】 東京【UVインデックス】 大阪

【UVインデックス】 福岡【UVインデックス】 那覇

[1〜2]弱い⇒安心して戸外で過ごせます。
[3〜5]中程度・[6〜7]強い⇒日中は出来るだけに影を利用しましょう。 出来るだけ長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しましょう。
[8〜10]非常に強い・[11+]極端に強い⇒日中の戸外は出来るだけ控えましょう。 必ず長袖シャツ、日焼け止め、帽子を利用しましょう。

※「UVインデックス」とは、紫外線(特にUVB)が人体に影響を及ぼす影響の度合いをわかりやすく示すために、紫外線の強さを指標化したものです。
※具体的には、紅斑紫外線量(皮膚に赤い日焼けを起こす紫外線の量)を、日常生活で使いやすい簡単な数値とするために、25 mW/�で割って(紅斑紫外線量の単位がW/�の時には40を掛けて)指標化したものがUVインデックスとなります。
※上のグラフは、地点の日最大UVインデックスを1997年から2009年までの期間について平均した月別グラフです。
UVインデックスは、衛星による上空のオゾン量やアメダスの日照時間などのデータ(1時間積算値)を用いて、推定しています。
気象庁「地球環境のデータバンク」より

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2.3つの紫外線

問題はUVAとUVB

太陽光線には、私たちの目に見える可視光線、そして目に見えない赤外線や紫外線(UV)、X線、γ線などが含まれています。そのなかの紫外線は、その波長の長さによってさらにA波、B波、C波に分けられます(図2)。光線の波長が短いほど身体への影響力が強くなりますが、逆にオゾン層にカットされやすくなります。

■図2 太陽光線と波長
●C波(UVC)
大気層(オゾンなど)で吸収され、地表には到達しない。

●B波(UVB)
ほとんどは大気層で吸収されるが、一部は地表へ到達し、皮膚や目に有害となる。肌が赤くなる日焼け(サンバーン)の主な原因で、皮膚がんやシミの原因にもなる。地表に到達する量は全紫外線量の約10%。

●A波(UVA)
UVAはオゾン層を通り抜けやすく、通常のUVBの20倍の量が地上に到達している。また、雲や窓ガラスも通り抜けやすい。UVBほど有害ではないが、すぐに肌が黒くなる日焼け(サンタン)を引き起こす。長時間浴びた場合、じわじわと肌に影響を及ぼし、シミやしわの発生に大きく関わっている。


UVAとUVBの皮膚への影響

■図3
 私たちの皮膚は、体の表面を覆っている角質層と、その下にある表皮・真皮で構成されていますが、UVBは表皮に到達し、UVAは真皮にまで到達します(図3)
ただし、UVAはUVBに比べて、それほど急激な変化を起こしません。一方、UVBは進入度は浅くてもエネルギーが強く、人体に及ぼす害が大きくなっています。

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3.飲みすぎから体を守る

急性の影響

●日焼け
皮膚が真っ赤になりヒリヒリする日焼け(サンバーン)や、日光に当たって数日してから現れ、数週間から数か月続く日焼け(サンタン)の傷害が起こります。
●雪目(紫外線角膜炎)
スキーなどで目が紫外線にさらされ、角膜の表面に細かい傷がついて、「目がゴロゴロする」などの感覚を受けます。
●免疫機能低下
紫外線によって皮膚の細胞がダメージを受け、免疫力が低下して体調を崩しやすくなります。

慢性の影響

●皮膚の老化
シミ、しわ、そばかす、ホクロなどができやすくなります。
●皮膚がん
長年にわたって紫外線を浴び続けると、頭部や首、前腕、手などに皮膚がんが発生する可能性が高くなります。悪性黒色腫は日光にさらされないところにも発生します。
●白内障
紫外線のほとんどは、レンズの役割を担う水晶体で吸収されます。白内障は、目の水晶体が濁り、視力が低下してしまう病気で、その原因の一つが紫外線と考えられています。
●翼状片
眼球結膜(白目)が翼状に角膜(黒目)に侵入し、それが瞳孔近くまで進展して視力障害を来たすことがあります。農業や漁業従事者など、戸外での活動時間が長い人に多く発生します。

対策

長期的な健康への悪影響を予防するためには、とにもかくにも紫外線の浴びすぎを防止することが重要です。直射日光下での活動はできるだけ控え、さらに状況に応じて、次のような対策を行うようにしましょう。

●紫外線の強い時間帯を避ける
時間的には、紫外線は正午前後が最も強くなります。その時間帯の屋外での活動をできるだけ控えたいものです。
●日陰を利用する
体に当たる紫外線は、太陽から直接当たるものだけでなく、地面や建物から反射するものもありますが、できるだけ木陰やビルの陰などの日陰を利用しましょう。
●日傘を使う
特に紫外線防御機能を高めた日傘もあります。
●帽子をかぶる
幅の広いつばのある帽子が効果的です。
●サングラスをかける
紫外線防止効果の示されたサングラスを選びましょう。普通のメガネにも紫外線カットのレンズのものもあります。
●しっかりした生地の衣服を着る
しっかりした織り目や編み目の生地のほうが、紫外線の到達度は少なくなります。生地を透かして太陽が透けて見えるようなものは避けましょう。また、生地は、濃い色のものより淡い色調や白い生地のほうが紫外線防止になります。
●日焼け止めを上手に使う
外出前に、日焼け止めクリームを皮膚に塗ります。日焼け止めには吸収剤タイプと反射剤タイプがありますが、最近は両者を組み合わせたものが多くなっています。

日焼け止めクリームの表示について
SPF(Sun Protection Factor)……UVBによる日焼け(皮膚が赤くなる)を防ぐ効果を表す値。「SPF15」とは、日焼け止めを塗った皮膚が、塗らなかった皮膚と比べて、日焼けするのに15倍の時間がかかるという意味。現在販売されている商品の最大値は50。

PA(protection Grade of UVA)……UVAを防ぐ効果を表す。
+……効果がある
++……かなり効果がある
+++……非常に効果がある

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