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【元気な暮らし】 飲み過ぎから体を救う

忘年会、クリスマス、新年会・・・と何かとアルコールを摂取することが多いこの季節、体調が優れないという人も多いのではないでしょうか。「付き合いだから」「わかっているけど、つい飲み過ぎて」と、言い訳する前に、少しでも自分の体を守る方法を考えてみませんか?

1.アルコールの2面性—メリットとデメリット

飲酒してからアルコールが抜けるまでのメカニズム

飲酒すると、体内でアルコールは胃と小腸で吸収され、肝臓に運ばれます。肝臓でアルコールはアセトアルデヒドに、さらにアセトアルデヒドは酢酸に分解されます。酢酸は血液中で水と二酸化炭素に分解され、尿や汗として体外に排出されます。
この過程のアセトアルデヒドは毒性が強く、二日酔いの原因となります。


アルコールのメリット・デメリット

適量の摂取は「百薬の長」と言いますが、度を過ぎれば自身の健康問題だけではなく、周囲にも多大な影響を与えることになります。毎日ではないからといって、羽目を外すと、二日酔い程度では済まなくなる危険性があることを十分に認識しましょう。

メリット
・食欲増進
・気分の高揚
・ストレスの解消
・コミュニケーションにおける効果
飲みすぎると

継続すると
デメリット
・致酔性(酔っ払うこと)による意識状態の変容 酩酊すれば思考力や判断力が低下。その結果、重大な事故につながることも。また、急性アルコール中毒は死に至ることもある。
・臓器への影響 飲酒が慢性化すると、胃や肝臓などの臓器障害を起こし、重篤な疾患に発展することも。
・依存性 長期にわたる多量飲酒は依存性を形成し、本人の精神・身体の健康を損なうだけではなく、社会への適応力低下を招き、周囲の人たちに深刻な影響を与える。
・妊婦等の飲酒の影響 胎児の心身の発達に重大な影響を与える。
※未成年者の飲酒は、未成年者飲酒禁止法により禁止されている。
特に、飲む機会が多いイベントが多い時期や、ついつい気を許して飲みすぎてしまう週末は、予期せぬ事故につながることもありますので、注意しましょう。

イベントが多い時期に注意!


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2.どこまで適量? どこから飲みすぎ?

適量は純アルコール量20g(1日平均摂取量)程度

厚生労働省では、通常のアルコール代謝能力を持つ日本人の場合、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコール約20gとしています。


摂取量の目安
 
ビール

中瓶1本
(500ml)
清酒

1合
(180ml)
ウィスキー・
ブランデー

ダブル
(63ml)
焼酎(35度)

 ロック1杯
(110ml)
ワイン

1杯
(180ml)
アルコール度数 5% 14% 40% 25% 14%
純アルコール量 20g 20g 20g 22g 20g

※次のことにご注意ください。
 ・女性は男性の約半分の量が適当です。
 ・アルコール代謝能力の低い人(少量の摂取で顔が赤くなるなど)は、20g未満が適当です。
 ・65歳以上の高齢者は、これより少量の飲酒が適当。
 ・アルコール依存症者は、適切な支援のもと完全断酒が必要。
 ・飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではありません。




純アルコール量60g(1日平均摂取量)を
超えると飲み過ぎ

厚生労働省では、1日の平均純アルコール量が60gを超えている場合、「多量飲酒」としています。純アルコール60gは日本酒で約3合分です。
日本では、男性の6.4%、女性の1.5%が毎日多量飲酒しています。年代別には、男性は40代、女性は20代が多くなっています(男性9.7%、女性2.4%)。

日常、男女ともに約90%の人は「生活習慣病のリスクを高める量を飲酒していない」との結果(厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査」より)になっていますが、飲む機会が多い時期は特に気をつけたいものです。

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3.飲みすぎから体を守る
ポイント
  ○アルコールの分解をスムーズに
  ○胃に負担がかからないようにする
こんなことに気をつけましょう
  1 体調が悪いときは無理をしない
  2 飲むときは必ず何か食物と一緒に
  3 ゆっくり飲む(イッキ飲みは絶対にだめ!)
  4 飲み過ぎない



こんな食材がお勧め  ( )内は有効成分

こんなメニューはいかが?  マグロの和風カルパッチョ
(薄く切ったマグロにワカメ、カイワレ、ごまをたっぷり乗せて、お好みのドレッシングで)



その他にこんなことにも注意して
   
  • ウコンなどサプリメントを服用。
  • 連日で飲むことは控える(休肝日をつくる)。
  • かぜ薬などを飲んでいるときは飲酒しない。
  • 複数種類はできるだけ飲まない。
  • アルコール度数が高い場合は水で薄めて飲む。
  • 遅い時間まで飲まない。
  • 一緒に飲んでいる人同士で、お互いの変化に気づくようにする。(顔色/言葉の調子/行動/気分の高揚など)
  • 飲んだ直後の運動や入浴は避ける(血圧が急激に上昇するため、非常に危険です)。
  • 水分を補給する。

たまには気分も変えて
いつも飲むものが決まっているという方も、たまには体にやさしいアルコール飲料を選んでみてはいかがでしょうか。
最近はトマトをベースとしたものや果汁をたっぷり使ったものなど、健康を意識した商品も多く出回っています。もちろん手作りでも。ただし、飲みすぎれば逆効果になることをお忘れなく。



飲み過ぎてしまったら、水分補給を十分に

飲みすぎて、頭痛がする、気分が悪いなどの症状はアルコールの分解過程で発生するアセトアルデヒドという有毒物質が原因です。飲みすぎてしまったら、次のことに配慮しましょう。
  • 水分補給を十分に行い、汗や尿としてできるだけアセトアルデヒドを体外に排出する。
  • 肝臓の働きを活発にする食材でアセトアルデヒドの分解を促進する。
  • 食事は消化のよいものをとり、胃腸をいたわる。

こんなメニューはいかが?  アサリとキャベツのカレーリゾット
カレーの風味で食欲アップ。アサリのタウリンやターメリック(ウコン)で肝臓の働きを高め、キャベツのビタミンUとビタミンKで胃腸をいたわりましょう。さらに水分補給にも効果的です。

こんなメニューはいかが?  柿のシャーベット
よく熟れた柿を冷凍庫で凍らせるだけ。半解凍していただきます。柿はよく「二日酔いに効く」といわれますが、それは豊富なビタミン類やタンニンがアルコールの代謝を助け、カリウムがむくみに効くからです。



飲酒問題に対する「健康日本21」の取組み

「健康日本21」(厚生労働省管轄(財)健康・体力づくり事業財団)ではアルコール問題対策として、次のような目標を掲げています。
目 標(第3次、2032年まで)
○生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の減少 10%以下
○20歳未満の人の飲酒をなくす 0%

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