「隣家との境界①」では柵や塀について取り上げました。2回目は植栽や生垣で住まいの囲みを作る手法を紹介します。
植物だから自然になじむ一方で、植物だからこそ手入れの問題や伸びた枝葉によるトラブルが生じやすいことも事実です。植物の種類によっても外観や扱い方はかなり変わってきますから、ルールや規定をしっかり守って、思わず目を引く素敵な囲みを作ってみてはいかがでしょうか。
また、生垣や植栽は、見た目にも潤いがあって気持ちをホッとさせてくれます。刈り込みなどの手間は掛かりますが緑が都会の中で増えていくことを望みたいと思います。
緑化の条例とは
新築の場合では敷地面積の大きさ(300�以上など)によって緑化が指定される。道路側の緑化は大事に見られていて敷地に対する面積比率を示す係数も大きい。高木、中木、低木、地被類などでも係数が違う。緑化の条例で推奨
植栽や生垣は主に道路に面したところで使われます。こうした植栽や生垣は東京都では緑化の条例でも推奨されています。隣地との境界で使う場合はブロック塀やコンクリートの壁がある場合に適しています。何故なら、ネットフェンスのような場合には植物が網目を通して伸びてしまい、隣地に入り込んで枝を落とさないといけないからです。
勝手に枝を切ってはいけない
道路側に枝が伸びてきた場合、近隣の人は勝手に枝を切っても構わないのでしょうか。民法では樹木が境界を越境している場合、根は切ってよいが、枝は勝手に切れないことになっています。ですから、枝を切るには所有者にお願いするか、了解のもとに切ることが必要になります。
広がりすぎず密な植物が最適
植栽や生垣に使われる植物には様々な種類がありますが、枝葉があまり広がって伸びずに隙間が空きにくい密なものが良く使われるようです。また、虫が付きにくく手入れが楽なことも条件です。
隣地との境界線はコンクリートなどで区切ることも一つの手段ですが、植栽や生垣を作ることで住まいとしての温かみを出すことができます。ただし、隣家との境界線の場合は、より安定した人工のフェンスと合わせて使うことがお勧めです。また、植物が伸びて隣地にまで及んでしまうことがあるので注意が必要です。