今回も女性のためのDIYです。
前回やってみて、少し、面白くなってきた人もいるかもしれません。1回目ではDIYの基礎を紹介しましたが、2回目ではより細かな作業を含む応用編を掲載します。作業自体は少しレベルアップしますが、女性ならではの工夫を入れてDIYを一層楽しむことができ、実践に活かすことができます。
第1回目では、電動工具を持っていなくて、ドライバーで作業した人もいるかもしれません。そこで電動ドライバーについて少し説明しておきます。コードつきの物と充電式のものがありますが充電式のものをお勧めします。
充電
充電式のものは電池が切れても、30分ほどで充電できます。電池はニカド電池とリチウムイオン電池がありますが、リチウムイオン電池のものは値段が高い(3万円以上)のが難点です。ニカド電池のものはで1万円程度です。ニカド電池の場合は、使い切ってから充電します。半分くらい残った状態で充電すると半分の容量の電池になってします。リチウムイオン電池はスマートフォンや自動車などにも使われており、途中で充電しても大丈夫です。
パワー
電池は6Vから18V以上までありますが、大きくなるに従って、パワーが大きくなります。10V以上あったほうが厚い木にも対応できます。
使いやすい種類
■インパクトドライバー
最近はインパクトドライバーが主流です。これは打ち込みながら回転するので力が無くても楽に作業できます。ただし、音がうるさいので気になるときは、切り替えてインパクトしないモードで使えるものがよいでしょう。
■振動ドリル
振動ドリルはコンクリートなどに穴を開けるときに使います。専用のビット(錐の部分)を使って打ち込みながら回転するので大きな音が出ます。切り替えて振動しないモードで使えるので金属などに穴を開けることもできます。その場合は金属用のビットを付け替えて使います。
我が家では、朝のジャムの蓋を開けるのは妻の仕事です。固まった蓋は私には開けられません。そんな非力の男ですが電動工具があればDIYもOKです。たぶん女性の読者の人でも使えると思います。挑戦してみてください!
≪ 実践 ≫
DIY店などには10×20cm位の白色系の壁紙を補修用として売っていますが、ドンピシャという訳にはいきません。そこで、同じ壁面のコンセントやスイッチのプレートをはずしてみると1cm×10cm位の壁紙を切ることが出来ます。狭い範囲の引っかき傷などはこれで充分直せます。
材料
簡単に済ませるならば市販の補修用壁紙セット(補修キット)を使用します。白色系で数種類あり、糊付きの8.5×12cmの物が2枚入っています。値段は450円位です。 少し手間はかかっても仕上がりを綺麗にしたい場合は壁紙を使用します。壁紙は95cm幅で廉価版は1mの長さで350から500円。
手順(補修キットを使わない方法)
① | ② | ③ |
コンセントプレートのプレートを外した所。壁紙が内側にはみ出して見える、この部分を使います。 | さらにこのビスを上下とも外します。その前に鉛筆で輪郭を印しておきます。 | プレートのベースを外したところ。鉛筆の印が見えます。切り取った後は消しゴムで輪郭線を消します。 |
④ | ⑤ | ⑥ |
切り取った壁紙で1.5×10cm位あります。 | クロスの傷。 | 出張った所をカッターでそぎ落とします。 |
⑦ | ⑧ | ⑨ |
切り取ったクロスを仮止めします。傷の範囲を鉛筆で印しておきます。 | 力を入れてカッターで下のクロスも一緒に切ります。 | 下のクロスも切った所を剥がします。マークの鉛筆跡を消しゴムで消します。 |
⑩ | ||
水性の糊で貼り込んで完成。クロス用のローラがあれば良いのですが、無いときはクリアホルダーを当て、定規のようなへらでしごけば面が揃います。余分の糊は水で拭いておきます。 |
右が補修キットを上から貼って補修した場合、左が上記の手順で補修した場合。色の違いと貼った跡が歴然です。
カンナ掛けした板を買ってきてフックをつけて鍵などをかけてみましょう。物置の鍵、車のキー、自転車の鍵など1世帯で管理する鍵は結構あります。おまけに鍵は小さいので引き出しでは見つけにくいものです。スチール製のキーBOXでは味気ないので、木製のキーホルダーで雰囲気を出してみましょう。
材料
材料は安価なものばかりです。フックはL型のスチールに黒の樹脂をコーティングしたもので、4本入り200円。板は端切れで100円。フックだけでは面白くないので前回も使った扉用のつまみ手を2種類、1個160円。それに塗料少々。
濃いめの塗料で、そのまま仕上げるつもりでしたが、色があまり乗らなかったのでコンロであぶって、アンティーク調にしました。
手順
① | ② | ③ |
板にL字型のフックを取り付けるための先穴を開けておきます。ネジコミ式の場合も少し小さめの穴をドリルで開けておくと取り付けが楽です。 | 扉用の取っ手は貫通の穴を開けます。4mmのネジなので、4.5mmの木工か金属用の錐を使います。 | 裏は皿ネジが隠れる程度に5〜6mm位の錐で凹みを作っておきます。 |
④ | ⑤ | ⑥ |
板を塗装します。今回は油性のカラージェルをスポンジを使って塗ります。油性なのでゴム手袋をしたほうが良いでしょう。 | その後、乾かない内にボロ布で拭き取ります。 | アンティーク調を強調したいときはガスコンロであぶってみましょう。火傷と火災には注意して下さい。ロウソクなどでもできます。 |
⑦ | ⑧ | ⑨ |
サンドペーパーなどで焦げた所を落として、再度塗装します。 | フックと取っ手を取り付けて完成です。 | 壁への取り付け用にはブロンズのビスを使います。 |
板の取り付けなので直接ビス止めしましたが、プラスターボードの壁には前回使ったボードビスを使えば止まります。
やってみると、いろいろアクシデントや気に食わないことが起こりますが、そこで色々考えてアイデアを練るのもDIYの魅力です。
白熱灯や蛍光灯の器具をLEDに変えて見ましょう。電気の消費量は白熱灯を100とすると、蛍光灯は約20、LEDは12から15です。
種類 | 特徴 | 備考 |
白熱灯 | 一般のシリカ電球やミニクリプトンなどの外にハロゲンもこの仲間です。寿命は600から1,000時間程度。口金は「E26」が一般電球、「E17」がミニクリプトンです。 | シリカ電球は生産を中止したメーカーが多いようです。 |
蛍光灯 | 形状も直管型、サークライン、コンパクト型など多様。点灯してから規定照度に達するまで、3から5分かかる。寿命は6,000から10,000時間。仲間としては水銀灯やメタルハライドなどがあります。 | 人体に有害な水銀が管の中に封入されているので課題として挙げられています。 |
LED | 専用器具の他に、電球型、蛍光灯型のものもあり既存の器具を変えずに玉だけ交換もできます。電球型では「E26」と「E17」の口金があります。明るさ表示は、ルーメン(lm)が正式表記になります。寿命は20,000から40,000時間ですがその後も照度は落ちますが点灯はします。 | ○1つの器具で、白熱灯や昼白色などの演色ができるものもある。 ○LEDは紫外線をほとんど含まないので美術館やショウウィンドウで活躍しています。 |
有機EL照明 | LEDの後に来る照明で面発光体が特徴。一部のスマホやTVの画面に使われ始めています。 | ガラスだけでなく樹脂版のものも有り、曲げることができます。 |
手順
① | ② | ③ |
交換前(60wのミニクリプトン球)。 | カバーを外した状態です。この器具は電源線が器具に直接差し込んでいるので電気屋さんに「引掛けシーリング」変えてもらいます。 | 引掛けシーリング、取り付けられる器具の重さは10Kg以下です。 |
④ | ⑤ | ⑥ |
下から見ると丸い穴は器具を取り付けるビス穴で10時と4時の方向におたまじゃくしのような穴があります。これに器具の足を差し込んで回転すると止まります。 | 照明器具の裏面でカギ状の金属が2箇所飛び出しています。これを先ほどの引掛けシーリングの穴に差し込んで回転して取り付けます。 | 交換後(LED、白色で白熱灯100W相当品)天井面は前より少し暗くなりましたが、部屋の明るさは増しました。 |
洗浄便座の取付はプロの業者に頼むと、取付料10,000円から15,000円に加えて古い便座処分料が2,000円から5,000円ほどかかります。洗浄便座はDIY店やインターネットでも買えます。15,000円位からあります。
工具
①ドライバー
上はラチェット式、下は通常タイプ。両方とも差し替えてプラスとマイナスに使えます。②レンチとプライヤー
下はモンキ−レンチ。6角形のナットを回すもので、はさむ大きさを変えられます。水道関係は大きなナットを回すので30mm位のものは挟めるものが良いでしょう。他にプライヤー(写真上)もあると良いでしょう。レンチには角度が付いています。これは狭いスペースで六角形のナットを回すのに使われます。ナットをはさんで回転させたときに近くの障害物に当たって6角ボルトの次の辺に掛からない時レンチを反転させると回すことができます。六角形なので360÷6で60度のスペースがないと次の辺をつかめない所30度のスペースで回転させることができるのです。
③その他
チェーンスパナ。大口径のものを回せせます。ビンの蓋などにも便利です。手順
① | ② | ③ |
取付前。この便器の給水は床からです(壁からの給水もあります。) | まず便座を外します。奥の裏側を見るとプラスチックのネジで止まっているので、これを外します。購入した洗浄便座の部品の中に、回転補助具が入っています。 | 外すと陶器の便器に2つの穴が見えます。 |
④ | ⑤ | ⑥ |
ベースのプレートを取り付けます。便器によって穴の位置が違います(写真のものは内側についています)。 | 床からの給水部分を外しますが、その前に止水する必要があります。止水は写真の垂直部分の頭にあるネジをマイナスドライバーで締めこみます。便器の水を流して給水が止まっていることを確認して横にある大きめのナットを外します。パイプの中の水が垂れるので、雑巾を敷いておきます。 | 付属のT字型の分岐金具を取り付けてロータンクに繋がっていた給水ホースを取り付けます。この時、付属のゴムリングを雌ネジの中に入れることを忘れずに。 |
⑦ | ⑧ | ⑨ |
洗浄便座をベースプレートに手前から差し込んでセットした後、付属のホースを分岐金具の取付て(ゴムリングを忘れずに!)、洗浄便座に差し込みます。便座側は差し込むだけです。しっかり取り付けたら付いている水を良く拭き取って、止水ネジを開けて10分ほど様子を見て漏れの無いことを確認します。 | 最後にアース線とコンセントを取り付けます。 | 狭いスペースなので作業は大変でしたが完成です。お疲れ様! |
2011年に「プロが教えるハウスキーピング」(http://zenshakyo.org/sumai/feature/feature06.html)で蛇口の修理は取り上げましたが、今回は細かい手順を解説します。
手順
① | ② |
洗濯機用の混合水栓。ノブが汚くなっている場合はこれも交換しましょう。台所の蛇口も同じ要領でパッキンの交換ができます。 先ず根元のマイナスネジ(止水ネジ)を両方とも締めて止水します。蛇口を回して水が出ないことを確認します。刻みの入った部分をプライヤーでつかんで反時計回りに緩めて外します。後はつまんで引き抜けば取れます。コマ部分はピンセットなどで引っ張り出します。 |
分解したところ。先ずノブの中央のキャップをカッターの刃を差し込んで引抜きます。すると、プラスネジの頭が見えるのでドライバーで取ります。樹脂のノブは差し込まれているだけなので、これも引抜きます。 |
③ | ④ |
左が「コマ」と呼ばれるもので、水を止める黒いパッキンが付いています。この部分は部品で購入します。普通は13mm。右側の黒いパッキンは「三角パッキン」で、これはパッキンだけ売っています。これが劣化すると樹脂のノブの根元から水が垂れるようになります。 | 洗面器の混合水栓(2ハンドルタイプ)。 |
⑤ | ⑥ |
止水栓(左がお湯、右が水)。 | ノブの外し方(1) キャップを外します。 |
ノブの外し方(2) プラスドライバーでネジを外します。 |
|
⑦ | ⑧ |
ノブを取ると真鍮のナットがあるので スパナで外します(これは6角ナット形式、 そうでない場合はスパナで挟んで回します)。 |
完成。 |
一見簡単そうに見えるシングルレーバーの混合栓は、部品が個別に分かれているので取扱いが難しいのです。
吊戸棚や高い位置の開き扉の収納は地震時に、内の物が飛び出してきて危険です。直接人に当たるだけでなく避難経路を塞ぐこともあるので対策をしておきましょう。食器の場合は割れて床に散乱すると動きが取れなくなります。最近のキッチンの吊戸棚は対策がなされていますが、食器棚などの家具類の場合は先ず転倒防止の対策のうえ耐震ラッチの取り付けがが必要です。
後付の耐震ラッチは色々なタイプの物が出ています。2個セットで1,300円から3,000円程です。今回は安い方で選びました。
手順
① | ② |
取付前。 | 型紙で本体の取り付け位置を錐でマークします。 |
③ | ④ |
本体をビス止めします。電動工具よりは手で閉めた方が良いでしょう。 | 次に扉側にフックを取り付けます。 これも型紙を使って位置を出しておきます。 |
⑤ | ⑥ |
しかし、本体側の上の板厚さを間違えた!板厚さ分ずらして取り付け直し、ビス跡をパテで埋めます。 | 完成!これは鉄の玉が中に入っていて、地震でその玉が動くと本体のカギの手が固定されて扉を開かなくするタイプです。 |
後付の耐震ラッチ(別タイプ)。 |