古来、日本の建築物は木と土でできていました。木が呼吸できるように塗装もせず、風が抜ける造りを良しとしてきました。「住まいは夏を旨とすべし」と吉田兼好が『徒然草』の中で書いているように、日本人にとって夏の暑さは昔から問題でした。暑さをやわらげるエアコンもない時代は、自然と共棲することしかありませんでしたが、現代社会では、快適な生活を送りながら、環境や資源を守ることが私たちの使命となっています。
住まいにおけるエネルギー消費傾向
エネルギー消費割合は、エコ(省エネ)の対象となる給湯、冷暖房で半分以上を占めています。熱源の選択と、給湯器やエアコンの省エネ機種の選択が重要であることがわかります。
電気が使われるまでに6割のエネルギーをロス!
電気として利用しているエネルギーは、実はもとのエネルギーの4割程度です。どういうことかと言いますと、電気を「つくる」場所と「使う」場所が離れると送電する間にロスが出たり、発電するときに出る熱を利用することができず、海や大気中に捨てられてしまうからです。
それに比べると、ガス、灯油は使う場所でエネルギーになるので、潜熱回収(排気ガス中の水蒸気を凝縮する際に出る熱=潜熱を再利用すること)などでエネルギーを効率よく使うことができます。
電気として利用しているエネルギーは、実はもとのエネルギーの4割程度です。どういうことかと言いますと、電気を「つくる」場所と「使う」場所が離れると送電する間にロスが出たり、発電するときに出る熱を利用することができず、海や大気中に捨てられてしまうからです。
それに比べると、ガス、灯油は使う場所でエネルギーになるので、潜熱回収(排気ガス中の水蒸気を凝縮する際に出る熱=潜熱を再利用すること)などでエネルギーを効率よく使うことができます。
エネルギー源の種類
メリット | 最近の傾向 | 最新エコシステムのいろいろ | |
電 気 |
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ガ ス |
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灯 油 |
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そ の 他 |
○太陽光
○風力
○地熱
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※①〜⑥は「2.エコに役立つ熱源機器」に対応しています。
①エコキュート・・・電気を使った給湯システム
【 特徴 】
エアコンの室外機と同じヒートポンプの原理を利用してお湯を沸かし、貯湯槽に貯めて給湯します。製品としては各社から多種出ていて、戸建てに限らず集合住宅用もあります。床暖房やバス乾(浴室乾燥暖房換気扇)にも対応できる多機能タイプや、太陽光集熱器と組み合わせて高効率化を計るタイプ、寒冷地でも使えるタイプもあります。
【 利点 】
割安な夜間の電気を使い、高効率なヒートポンプでお湯を沸かすので、ランニングコストが大幅にダウン。【 設置スペース 】
設置スペースは1階屋外で幅2.0m×奥行約1.0m 高さは3.0m程(搬入経路の確認も必要)。【 費用等 】
費用は60万〜100万円(工事費別)ですが、家庭用で4万円(1台あたり)の補助が国からあります(平成22年度)。○補助金について詳細はこちら
http://www.jeh-center.org/ecocute/pamph.html
○電気代のシミュレーションはこちら
https://www.tepco.co.jp/ep/private/plan/index-j.html#
②エネファーム・・・燃料電池※の原理を使った家庭用の給湯・発電装置
【 特徴 】
都市ガスの中から水素を生成して発電します。発電された電力は売電できません。【 利点 】
1kWの発電量(太陽光発電との併用可能)は一般家庭の消費の約6割近くをまかなうことができます(4人家族の1か月の消費は約600kW)。給湯に関しては、約7割を発電時のエネルギーでまかなえます。また、ガス代も床暖房など併用すれば10%ほど安くなります。現時点では、機器の代金が高いためランニングコストで回収するには到っていませんが、普及に従ってコストも下がるため、今後に期待したい優れた設備です。
【 設置スペース 】
設置スペースは1階屋外で幅3.3m×奥行約1.2m 高さは2.3m程(搬入経路の確認も必要)。【 費用 】
費用は約350万円(工事費別)で、130万円を上限として国からの補助があります(平成22年度)。※燃料電池:燃料電池で発電する原理は、水の電気分解の逆の化学反応です。水は電気を流すと、水素と酸素に分解されます。燃料電池ではこの逆で、水素と酸素を反応させることで、水と電子(電気)を発生させます。
③エコウィル・・・家庭用のガス給湯・発電装置
【 特徴 】
都市ガスを燃料(ガスエンジン)にして発電し、そのとき出る熱でお湯もつくり、暖房することができます(太陽光発電との併用可能)。また、1kWの発電をするときに、同時に2.8kWの熱ができ、それを給湯にあててためておくこともできます。発電された電力は売電できません。【 利点 】
ガス代は8%ほど安くなります。【 設置スペース 】
設置スペースは1階屋外で幅2.5m×奥行1.0m×高さは1.8m程度(搬入経路の確認も必要)。【 費用 】
費用は87万円(工事費別)で、11万円(1台あたり)ほどの国からの補助があります(平成22年度)。④エコジョーズ・・・家庭用のガス高効率給湯器
【 特徴 】
ガスの湯沸器で排熱を回収するための熱交換器を備えていて、給湯時の熱効率が約95%位まで向上しました(排熱を効率的に利用するには、ある程度持続的に湯沸器を使うことが必要です)。【 利点 】
大気中への熱の放出を低減し、CO2排出量を削減します。また、使用ガス量が従来型より約13%削減できます。【 設置スペース 】
設置スペースは屋外で、幅0.5m×奥行0.25m×高さ0.6m程度です。【 費用等 】
費用は30〜40万円(工事費別)で、国から2万円(1台あたり)の補助が出ます(H22年度)。⑤エコフィール・・・家庭用の灯油高効率給湯器(エコジョーズの灯油版)
【 特徴 】
灯油(石油)の湯沸器で排熱を回収するための熱交換器を備えています。【 利点 】
給湯時の熱効率が90%以上に向上しました。【 設置スペース 】
設置スペースは屋外で、幅0.5m×奥行0.25m×高さ0.6m程度です。【 費用等 】
費用は約40万円(工事費別)で、国から2万円(1台あたり)の補助が出ます(H22年度)。⑥太陽光発電・・・ソーラーパネルを屋根に設置して発電するシステム
【 特徴 】
自宅の屋根に太陽電池(発電パネル)を設置して電気をつくりだします。家庭内で使用して余った電気は売電できます。※売電の代金は、口座へ振り込まれ、消費した電気料金との相殺はできません。 売電料は「収入」としての扱いとなるため、サラリーマン家庭では、売電料の収入を含む雑所得の合計が20万円を超える場合は確定申告が必要。
【 利点 】
電気を自給自足することができます。【 設置スペース 】
1戸あたりの標準的な太陽電池モジュール(3kW)では、屋根に20〜30�程度(6帖間2〜3室分)の設置スペースが必要です。重量は、架台などの設置部材を含めて約300〜450kg程度(1�当たり15〜20Kg)。【 費用等 】
3kW前後のシステムの導入費用はおよそ200万円(工事費込み)で、補助金は太陽電池モジュールの1kW(公称最大出力)あたり7万円となっています(平成22年度)。○申込み等、詳細はこちら
http://www.j-pec.or.jp/012app_h22.html
○自治体による補助金もあります
http://www.j-pec.or.jp/local_info.html
省エネ基準をクリアしている家電製品(グリーン家電)については、購入すると様々な商品・サービスと交換可能なポイントを取得できる家電エコポイント制度があります。
グリーン家電には「統一省エネルギーラベル」が貼られています。
対象製品:エアコン・テレビ・電気冷蔵庫・電気便座
購入期限:平成22年12月31日
申請期限:平成23年2月28日
統一省エネルギーラベル(例)
:トップランナー基準を満たしているもの。
エアコン | テレビ | 電気冷蔵庫 | 電気便座 | ||
液晶・プラズマ | ブラウン管 | ||||
★★★★★ | 109%以上 | 164%以上 | 127%以上 | 100%以上 | 150%以上 |
★★★★ | 100%以上 109%未満 |
143%以上 164%未満 |
118%以上 127%未満 |
90%以上 100%未満 |
125%以上 150%未満 |
★★★ | 90%以上 100%未満 |
121%以上 143%未満 |
109%以上 118%未満 |
80%以上 90%未満 |
100%以上 125%未満 |
★★ | 80%以上 90%未満 |
100%以上 121%未満 |
100%以上 109%未満 |
70%以上 80%未満 |
78%以上 100%未満 |
★ | 80%未満 | 100%未満 | 100%未満 | 70%未満 | 78%未満 |
省エネ機器ランキングはこちら(PDFファイル)
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/seinoucatalog_2009winter.pdf