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【損害保険を考える④】損害保険の医療給付

生命保険会社の医療保険はよく知られていても、損害保険の医療給付はよく知られていないことも。損害保険の医療給付は実損払いなので、治療の内容によっては生命保険系よりも有益なことがあります。

ファイナンシャルプランナー 星野 諒

損害保険の医療給付は医療保険と傷害保険

損害保険の医療保険には、病気とケガが対象になる医療保険と、ケガだけに限定される障害保険があります。傷害保険は病気については補償しませんので、加入する前によく確認しましょう。
1.第3分野の保険とは

日本における保険には第一分野、第二分野、第三分野という分類があります。

■表 保険の分類
  内容 取扱会社
第一分野 生命保険 生命保険会社 終身保険、定期保険、養老保険など
第二分野 損害保険 損害保険会社 火災保険、自動車保険など
第三分野 医療、
介護などの分野
生命保険会社
損害保険会社
医療保険、がん保険、介護保険、所得補償保険など

このように日本では保険業法上保険商品が分類されており、私たちは様々な分類上の保険商品を組み合わせて利用しています。
その中で、特に第三分野の保険といわれる医療保険は生命保険、損害保険の両方の保険会社が取り扱っていますので内容を理解して利用しましょう。

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2.医療保険・がん保険の現状

医療保険は、一般的な病気やがん治療のための入院・手術の費用に備える保険で、付帯できる特約として女性特有の病気・三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)・先進医療・通院などがあります。
多くの方が医療保険を利用していると思いますが、近年の医療事情の変化とともに商品内容も急速に変化しています。特に少子高齢化や運用環境悪化の影響で保険会社の合併や生命保険会社と損害保険会社のグループ化が進み、元々損害保険会社が取り扱っていた商品を同じグループ内の生命保険会社の商品ラインナップに統合したり、商品開発コスト抑制やむやみな競合を避けたりラインナップ保管のために他の生命保険会社の特定の商品だけを取り扱ったりする例も見られます。

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3.気を付けたい医療保険と傷害保険の違い

損害保険には傷害保険と医療保険があります。
注意したいのは、医療保険と傷害保険の違いです。医療保険は病気・ケガに対しての補償を行いますが、損害保険の医療給付は障害(ケガ)だけに限定されます。加入前のパンフレットや既に加入されている場合には証券をよく確認しましょう。

〈事例〉

死亡時700万円、入院日額4,000円、通院日額2,500円が付いて毎月の保険料が2,890円。

「これは安くて助かる!」(*特定の商品ではありません)
このようなCMやDMを受け取って加入を検討された経験もあるのではないでしょうか。
生命保険の満期も近いいし、そうかといって生命保険の担当者に医療保険の見積りを頼んだら毎月8,000円近い出費になるというので迷っていた矢先…なんていう状況でしたらなおさらですね。

このような時に気を付けたいのが「傷害保険」という文字が有るか無いかということです。この商品が損害保険会社が扱う「傷害保険」だった場合には、支払われる対象は「ケガ」に限定されますので『病気』が原因の場合には給付が受けられません。
最近は損害保険と生命保険会社の医療保険とのバランスや棲み分けがされてきてわかりやすくなっていますが、加入してから5年以上たっているものや加入してから一度も見直しを行っていない証券などは一度チェックしてみましょう。保険の種類を正しく理解し、ムダや不安を取り除いて安心な状況にしましょう。

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4.損害保険系の医療保険やがん保険の特徴

損害保険会社のがん保険や医療保険には、実損払いタイプの商品もあります。実損払いタイプとは、「実損填補」とも呼ばれ、損害保険の契約における保険会社が保険金を支払う方式のひとつをいいます。契約によって定められた保険金額を上限として、実際の損害額が保険金として支払われる保険です。
がん保険の場合では、がんの治療で入院・通院・手術をした時の実際にかかった費用や診断書の文書料が補償されます。健康保険等が適用される治療で自己負担割合が3割なら、その3割分を補償してくれます。
健康保険が適用されない自由診療(未承認の抗がん剤治療、適応外の抗がん剤治療、薬剤の適用外投与、適用外の検査等)も治療にかかった費用を補償してくれます。
細かな補償内容は各社で異なりますが、差額ベッド代、親族付添費用、ホームヘルパー雇入費用、保育所預入費用、交通費、セカンドオピニオン費用等も補償してくれたり高額療養費や健康保険の付加給付があっても自己負担分(3割等)を補償してくれる商品もあります。
しかし注意点としては、補償額に上限が設定されている場合や、実損払いタイプの保険に複数加入している場合は合算で補償額が調整される場合がありますので注意しましょう。治療を受ける前に保険会社の承諾が必要な場合もあります。
厚生労働省指定の先進医療を受けた場合も実際にかかった費用を補償してくれますが、先進医療については、定額払いのタイプでも実際にかかった費用を補償(保障)するような内容が一般的です。

特長1  実損払い・・・自由診療や先進医療、諸経費等も対象に
特長2  補償額に制限がある場合も
特長2  受診前に保険会社の承諾が必要名払いも

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