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【損害保険を考える②】火災保険・地震保険の基礎知識

住まいを購入したときに、まず思いつくのが火災保険への加入です。火災保険で補償されるのは住まいだけではありません。火災は隣家の火事をもらってしまうこともあれば、放火の心配もあります。大切な財産を守るために、火災保険を正しく知って活用しましょう。

ファイナンシャルプランナー 星野 諒

火災保険の補償対象は不動産と動産

火災保険によって補償されるのは、住まい(不動産)だけではなく、家財(動産)も含まれます。火災保険に加入する際には、「何を守りたい」のかを明確にしておきましょう。
1.火災保険とは

火災保険は火事になったときのための保険、すなわち火災によって生じる損害の填補を目的とする保険です。
火災以外にも、水害・地震・落雷・台風・雪・車両や飛来物の衝突による損害や盗難に対する保険を特約で付帯できるものもあります。

以前は、建物か家財で、内容がシンプルでどの損害保険会社も同じでしたが、最近では独自の商品を開発・販売するようになりました。特に台風被害、地震被害、水害等の補償を必要に応じて組み合わせて選べるようになってきているのが最近の特徴です。
実際に住んでいる土地の気候や地形的な特徴、建物の種類や特徴をよく理解したうえで火災保険を選びましょう。

火災原因は放火がトップ

火災は、自宅での出火だけが原因ではありません。原因の4位は「放火」で全体の6.2%、「放火の疑い」も含めると10.2%を占めます(令和4年中)。自分では気を付けていても防ぎきれない災害に対しても、備えがあれば安心です。
【火災の原因】
第1位:たばこ  第2位:たき火  第3位:こんろ  第4位:放火  第5位:電気機器

1件当たりの損害額は300万以上

令和4年の火災における1件当たりの平均損害額は303.2万円でした。火災の程度によっては住まいや家財をすべて失ってしまうこともあり、その場合はこの比ではありません。こうしたリスクは、自分で対策を講じておくしかないのです。

※以上の数値データは、総務省「令和4年(1月〜12月)における火災の状況」(確定値)より。

例えもらい火であっても自分の火災保険で

火災事故においては類焼(もらい火)の被害者になってしまう場合があります。この場合、「火元の人(失火者)が責任を取るべき・・・。」と思ってしまいますが、実は違うのです。
『自分の家は自分の保険で対処する』ことになっています!
火災に関する法律「失火責任法(失火の責任に関する法律)」によると、失火者に重大な過失がない限り、民法の不法行為に基づく加害者責任を問うことができないとされています。

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2.火災保険の補償対象

火災保険をかけるときは、保険の目的となる対象物と単位に注意しましょう。 建物と家財は別々の扱いとなります。家財も補償の対象にする場合はどこまでを対象にするかをよく検討しましょう。

■補償の対象
対象 内容
不動産 ○建物(外壁、柱、小屋組、梁、屋根を独立して備えている建物)
○屋外設備・装置(原則として各1基を1単位とする)
動産 ○家財  ○什器  ○備品  ○商品
※家財を保険の目的とした場合は、宝石・貴金属・美術品等であっても1個もしくは1組の価額が30万円以下のものは明記しなくても保険の目的に含まれます。30万円超の宝石・貴金属・美術品等は、保険証券に明記しないと保険の目的になりません。

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3.火災保険の種類
火災保険の種類は、保険の目的(補償対象)別に、住宅物件、一般物件、工場物件、倉庫物件の4つに分けられます。

住宅物件の火災保険

ここで言う「住宅」とは、単に住居のみに使用される物件を指します。建物と家財が補償の対象となります。

■住宅物件の火災保険の分類
対象 内容
住宅火災保険 火災・風災等による損害を補償する一般的な火災保険。
住宅総合保険 火災や風災だけでなく、床上浸水等や消火活動による水漏れ・破損等の水害による損害も補償する火災保険。付加保険料が加算される。
団地保険 マンションなど共同住宅のための火災保険。住宅総合保険の家財を主契約に、特約で借家賠償責任、修理費用、個人賠償責任、交通傷害を付帯できる。賃貸物件に入居する場合は契約が義務付けられている。総合保険のため家財の盗難も補償される。

一般物件の火災保険

住宅・工場・倉庫物件以外のすべての物件の建物、付属建物、屋外設備・装置、収容動産(併用住宅、専用店舗等)のための火災保険です。建物、什器備品、商品および製品が補償の対象です。

■一般物件の火災保険の分類
対象 内容
一般火災保険 住宅以外の事務所・店舗等を補償した一般的な火災保険。
店舗総合保険 一般火災保険で総合割増の付加保険料が加算されるが、補償範囲が広くなる。
その他 店舗休業保険、動産保険、盗難保険など。

工場物件の火災保険

一定の規模以上の工場構内にある作業所・動力室・倉庫・事務所・屋外設備・装置、収容動産を補償対象としています。

倉庫物件の火災保険

倉庫業者が占有する構内の倉庫建物保管貨物を補償対象としています。

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4.手続き前に行うこと

火災保険の手続き前に次のことを行っておきましょう。

1、物件の確認

火災保険をかけたい住宅や家財などについて、物件種別、用途、評価額等を確認します。

2、商品の選択
各保険会社の保険商品の内容を比較検討して契約する保険を選びます。保険会社によって保険金が出る事象(例えば台風、盗難など)が異なることがあるので、それぞれについてよく理解しましょう。また、必要に応じて各特約について付帯するか否かの判断をしましょう。
【特約の例】
○借家人賠償責任特約
賃貸用の一戸建、マンション、アパートの入居者が、誤って火災を起こして家主に賠償金を支払う必要が生じたときに保険金が支払われる。
○店舗休業保険特約
営業目的で使用している店舗や事務所、倉庫などが火災で休業したときに保険金が支払われる。 など
3、保険料の算出

保険金額、保険期間を決定して、保険料を算出してもらいます。保険会社によって長期契約や割引の適用もありますので、適用条件をしっかり理解したうえで判断をしましょう。

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5.地震保険

地震保険とは

地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没 または流失による損害を補償する、地震災害専用の保険です。 地震保険は単独では契約できません。地震保険は火災保険に付帯する保険のため、地震保険に加入するためには必ず火災保険に加入する必要があります。

補償対象

居住用の建物と家財。

補償内容

火災保険でカバーされていない「地震を原因とする火災による損害」や「地震により延焼・拡大した損害」に対して補償します。
※ほとんどの地震保険には「地震火災特約」がつきますが、これは地震、噴火、津波を原因とする火災により半焼以上の損失があった場合に適用される補償で、地震等による損失をを総合的に保障するものではありません。

保険金(契約)

火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内で決定します。

保険金(支払)

○建物 : 他の地震保険と合算して上限5,000万円 
 ⇒全損で契約金額の100%、半損で50%、一部損で5%
○家財 : 他の地震保険と合算して上限1,000万円 
 ⇒時価に対して全損で契約金額の100%/半損50%/一部損5%

保険料

基本となる地震保険は、保険会社が異なっても内容・保険料は同じです。

地震保険は「政府の再保険」
地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険し、再保険料の受入れ、管理・運用を行っています。また、民間だけでは対応できない巨大地震発生の際には、再保険金の支払いを行うために地震再保険特別会計において区分経理しています。
次回は、「賠償責任保険」を掲載します。

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