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ストレスがつくる体の病気

ストレスはさまざまな形で体に現れる

 ストレスが原因で病気になった場合、薬だけでは完全に治すことはできません。ストレスの正体を知り、これを解消することが基本です。

ストレス

ストレスって?

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 ストレスという言葉は、もともと機械工学で使われていた言葉で、ボールに圧力(ストレッサー=ストレス刺激)がかかってゆがんだ状態などをいいます。
 これと同じような状態が私たちの体にも生じることをカナダの生理学者セリエが発見しました。例えば仕事に追われて睡眠不足になっているようなときは、睡眠不足というストレッサーが過労状態というストレスをつくり出しているのです。つまり、ストレッサーによって、こころや体がストレス状態になり、この状態をうまく解消できないと、身体的にも精神的にも何らかの異常な変化、つまり、ストレスからくるこころと体の病気、ストレス反応が現れ始めます。
 ストレス反応には個人差があります。同じストレッサーを受けても、人によってよいストレスとなる人もいれば、悪いストレスになる人もいるのです。また、上手にストレスを解消して回復できるものもあれば、重い病気にまで至ってしまうこともあります。
 ストレス対策は、自分にとってのストレッサーは何かに気づくことから始まります。そして、上手にストレス対策を講じていきましょう。

ストレスによる病気(心身症)

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 ストレスの影響が体に現れる病気の代表的なものが心身症です。心身症というと、こころの病気と思われがちですが、これは病名ではなく、病態名です。つまり、ストレスが蓄積されたために身体に疾患(病態)が現れた状態を言います。その病態は、循環器系、呼吸器系、消化器系、神経系、泌尿器系などと、あらゆる領域に現れます。

|自律神経失調症という病気|

 自律神経失調症という言葉はよく耳にしますが、正式な病名ではありません。だれもが何となく知っていて、何となく使っているという感じです。
 自律神経失調症は、不規則な生活や習慣などによって、体を働かせる自律神経のバランスが乱れるために起こるさまざまな体の不調のことをいいます。
 自律神経は、心臓や胃を動かしたり、汗をかいたりなどと、生命を維持するうえで重要な体の機能をコントロールし、自分の意志とは関係なく自動的に働く神経のことです。一方、自分の意志や意識で働く神経を体性神経といいます。
 自律神経には交感神経と副交感神経という2つの対照的な働きをもつ神経があり、ほとんどの器官はこの2つの神経が同時にバランスよく働いて維持されています。ところが、ストレスが心身に影響を及ぼしてくると、2つの自律神経のバランスが悪くなり、心身にいろいろな不調(不定愁訴)、例えばめまい、発汗、動悸、のぼせ、手足の冷え、不眠、食欲不振などが現れてきます。これが自律神経失調症と呼ばれているものなのです。
  ところで、自律神経失調症というと、周囲の人からはあまり病気扱いされないことも多いのではないでしょうか。しかし、本人はいくつもの症状を抱えていてつらいものです。症状が長く続いて、内科などで治療を受けても改善しない場合は、心療内科を受診してみましょう。ほかの病気が見つからなかった場合は、自律神経の機能を調べる検査が行われます。治療法としては、薬物療法と心理療法がありますが、生活習慣を改善していくだけでもかなり症状が緩和されるかもしれません。

ストレスと生活習慣病

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 ストレスが生活習慣病の発症の引き金になることもあります。私たちの体の免疫機能は、発病しても、その抵抗力で悪化するのを防ぐ役割を担っています。しかし、ストレスによって、この免疫機能が低下することがあるのです。その結果、感染に対する防御力が低下してしまうことになります。
 生活習慣病の一つ、がんも、気力が弱っているときに発症しやすくなるといわれています。元気なときは、細胞をがん化するがん遺伝子の活動を、がん抑制遺伝子が抑え込んでいますが、ストレスで弱ったときには、その免疫機能が低下して、がん細胞の動きを抑制できなくなってしまうのです。

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心身症の治療と再発防止

 心身症は、ストレスが原因で起きます。そのため、薬で症状がとりあえずやわらいでも、治ることはないのです。根本的に治すためには、原因となっているストレスを解決することが大切です。つまり、心理的な治療が必要となってきます。

カウンセリング

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 まずはカウンセリングを受け、心身症の原因(ストレス)を見つけましょう。原因がわかれば、治療法を見つけることにもつながります。

自律訓練法など、リラクセーション法のトレーニング

 心身がリラックスできる方法を身につけます。自律訓練法は、自己催眠法の一種で、意識的にリラックス状態をつくり、そこから精神面への効果を期待するものです。あるいは、自分の意志で体の筋肉をコントロールし、リラックスさせていく筋弛緩法(リラクセーション体操)もあります。

薬物療法

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症状に応じて抗精神薬を処方します。

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