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定年後の再就職

「高年齢者雇用安定法」が改正されてから、約5年。希望すれば誰でも65歳までは継続して勤務できるようになりました。しかし、それ以上の継続勤務を認めている企業等は少なく、多くの人は退職してそこから更に長い人生を歩むことになります。
とは言え、今どきの60歳代は決して老け込む年齢ではなく、元気な人が多いのも事実です。平均寿命が男性80.79歳、女性87.05歳(「平成27年簡易生命表」より)と長寿の時代に、元気でこれからの生活設計を考えるなら、まだまだ働いてみませんか?

再就職する理由は?

退職しても、以外とお金は出ていくものです。基本的な生活費や社会保険料、税金などはもちろんですが、家族の友人の卒業、就職、結婚、孫の成長などお祝い事だけではなく、病気をしたときの医療費や介護費、万が一の時の費用など、ライフイベントに関わる出費は高額になることが多いものです。これらの出費に対する準備はいくらあっても多すぎるということはありません。
ただ、再就職したいという気持ちを持ったときに、求めるものは経済的なものだけではないはずです。社会とのつながりを途切れずに持つということも、再就職の大きな意味ではないでしょうか。
1.定年後の再就職の現状

9割の企業は最高雇用年齢65歳

厚生労働省の「就労条件総合調査」(平成27年)によると、定年後の最高雇用年齢を定めている企業は約81%、うち、65歳が約89%、66歳以上が約11%となっています、高年齢雇用安定法の改正により当然のこと、65歳までは雇用するが、それ以上は雇用契約を結ばないとする企業が多いようです。

年々増える65歳以上の労働力人口

では、実際にどれくらいの人が65歳以上でも働いているかというと、男性が約472万人、女性が約311万人となっており、65歳以上の労働力人口も労働力比率も年々増えています(図1・2)。ただ、男性・女性も就労者の70%以上は非正規雇用となっています。ですから、65歳で定年を迎えてその後再就職しようとしても、多くの企業では正規の雇用は年齢制限を設定しており、非正規で就職することを視野に入れなければいけないのが現状です。

図1 65歳以上の労働力人口
(総務省「労働力調査」(2015年)より)

図2 65歳以上の労働力人口比率
(総務省「労働力調査」(2015年)より)

「収入がほしい」50%、「老化防止」25%

では、なぜ定年を迎えても働くのでしょうか。内閣府の調査(「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(平成27年))によると、60歳以上で働きたい理由の第1位は「収入がほしいから」で49.0%、次いで「働くのは体によいから 老化を防ぐから」の24.8%、「仕事そのものが面白いから、自分の活力になるから」の16.9%などとなっています(図3)。やはり、定年後の家庭経済に不安を抱いている人が多いことがわかります。また、老化防止や活力(生きがい)が働く理由になっている人も4〜6人に1人います。


図3 就労の継続を希望する理由
※60歳以上の男女が対象。
(内閣府「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(平成27年)より>

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2.セカンドライフの出費

65歳以上の平均的な生活費

下表のように、世帯主が65歳以上の勤労世帯と無職世帯の収支を比較してみると、収入も多いが支出も多いのが勤労世帯です。収入に直接影響を受ける非消費支出が多いのは当然のこととして、消費支出のなかで突出して勤労世帯で多いのが「交通・通信費」と「その他」です。「その他」というのは、理美容代、旅行費用、たばこ代、小遣い、交際費などです。逆にいえば、無職世帯ではこうした「ゆとりの費用」ともいえる部分を削減しなければならないということです。
そして、何よりも注目したいのは、勤労世帯では、月々6万近い黒字である一方で、無職世帯では6万近くの赤字が出ていることです。もし無職のままでいるとすると、この赤字を何で補てんするのかということは、ライフプランを考えるうえで大きなポイントとなるでしょう。

表1 高齢夫婦世帯の平均的な収支

【収入】

月額(円)

  世帯主が65歳以上の勤労世帯 世帯主が65歳以上の無職世帯
実収入
 勤め先収入 245,190 16,038
 社会保険給付 133,837 181,071
 その他 12,032 14,311
収入合計 391,059 211,420

【支出】

月額(円)

  世帯主が65歳以上の勤労世帯 世帯主が65歳以上の無職世帯
消費支出
 食料費 74,992 67,928
 住居費 12,202 14,294
 光熱・水費 21,008 20,399
 家具・家事用品費 11,393 9,183
 被服及び履物費 9,436 6,651
 保健医療費 15,251 14,812
 交通・通信費 36,885 26,014
 教育費 630 326
 教養娯楽費 25,982 25,162
 その他 66,782 53,814
(小計) 274,561 238,581
非消費支出
 直接税 25,068 11,907
 社会保険料 32,278 16,909
 その他 224 49
(小計) 57,570 28,864
支出合計 332,131 267,445
<総務省「家計調査年報」(2016年)より>】

世帯主が65歳以上の勤労世帯の収支 … 58,928円の黒字
世帯主が65歳以上の無職世帯の収支 … 56,025円の赤字

ライフイベントにもこんなにかかる

ライフイベントというのは、結婚や出産、就職、転退職など、家庭経済に大きな影響を与えることとなるひとつの転機をいいます。これらは高齢になっても関わってくることです。定年後のライフイベントに関わる費用の例を見てみましょう。

〇子どもの結婚 …  約190万円(子ども1人の援助費用) (リクルートマーケティングパートナーズ「ゼクシィ結婚トレンド調査2016」より)
〇孫の出産祝い …  1万円〜10万円(1人につき)
〇病気で入院 …  約22万円(入院1回) (生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成28年度)より)
〇要介護で特別養護老人ホーム(介護福祉施設)に入所 … 約25万円(要介護3の場合。年間)※
〇配偶者が死亡 …  約200万円(葬儀費用合計) (日本消費者協会「葬儀についてのアンケート調査」(平成29年)より)
※施設やサービスの状況等により異なります。

出費を何で賄うか

問題はこうした出費を何で補うかということです。預貯金等を切り崩す、生命保険を活用するとい ったすでに準備がある人はともかく、そうではない人や備えだけでは不十分だという人は、やはり 再就職という手段で定期的な収入を得ることになります。
ですから、定年後の収支や支出を補う手段については現役世代の時から試算・検討しておいたほうが良いのです。

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3.雇用保険は慎重に

希望よりランクダウンすることも覚悟

若い人の転職や再就職と決定的に異なるのは、何よりも受入れ先が限られてくることでしょう。何か特別な資格や実務経験があれば優遇されることもあるかも知れませんが、大抵の人の場合は、望み通りの受入れ先がないということが最大の難関でしょう。65歳までは企業の義務により継続雇用できても、それ以降は行き先がないというのが現状です。ですから、職種、報酬、就業形態など、自分の希望には届かない働き方をせざるを得ないことも覚悟しておいたほうが現実的でしょう。例えば、非正規社員として、これまでの経験を全く活かすところのない単調な作業で収入はこれまでの4分の1、上司は自分よりも20歳も年下といったような状況を、自分自身が認められるか、覚悟できるかといったことが、まずクリアしなければならないことでしょう。

いくら稼げるか、いつまで稼げるか

い人の再就職の理由はさまざまです。収入面のことはもちろんですが、「もっと自分の能力を活かしたい」と考えている人は多いでしょう。ところが定年後の再就職は収入ということが就労条件として強くなってきます。一方で定年後の再就職では収入が上がるということはほとんどなく、また、体力的な面でも若い世代とは違いが出てきます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(平成27年)によると、65〜69歳の全産業の非正規雇用の男性は平均月給22.7万円、女性は17.5万円となっており、この就労収入で十分なのか、何歳まで働き続ければ十分な備えができるかをきちんと試算してみましょう。

就労条件は収入だけではない

定年後の再就職で就労条件として給与以外に大切になることに、就労時間や通勤時間があります。体力的なことはもちろん、家族との時間を大切にしたい時期でもありますし、「仕事優先」の生活を見直したいものです。

新しい世界を開拓する

再就職しても自分の思いどおりの就職ができるとは限りません。それでも、これまでの肩書や職種にこだわるのではなく、新天地を拓くことも良いかもしれません。一から学ぶことは容易ではないでしょうが、新しい仲間や新しい知識が増え、これまでと違った視点が持てることを思えば、まさにそれが「セカンドライフ」とも言えるでしょう。新しい世界にトライしてみてはいかがでしょうか。

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